第21話 取り残された継母
「そうかそうか、良かった! お父さんも、
涙ぐみながら、哲矢の肩に手を置いて言った、お父さん。
いつも、お父さんはお母さんの手前、何も声をかけてくれてなかったけど、こんなに、僕の事を思ってくれていたんだ!
僕の事を疎ましく思っていたのは、やっぱり、お母さんだけだったんだ!
「なによ! 哲矢もお父さんも、
「だって、それは……お母さんが、お兄ちゃんに対して、いつもヒドイ事ばかりしてたからだよ!」
哲矢の発言でカッとなったお母さんは、哲矢の左頬を引っぱたいた。
「痛い……」
「何をするんだ! 哲矢は何も悪くない!」
お父さんは、哲矢を庇って抱き締めた。
僕のせいで、哲矢がお母さんに叩かれた。
こんな事になるんだったら、哲矢に話さなければ良かった……
僕は話す相手を間違えたのかも知れない……
もしも、お父さんだったら、お母さんからあんな仕打ちされずに済んだだろうか?
その可能性が強いけど、お父さんだったら、誰かにその事を打ち明けずに、空耳とか当たり障りないように扱われてしまいそう。
「いいえ、悪い事をしたのよ、哲矢は! もう二度と、そんなバカらしい事は言わないでちょうだい!」
「僕は、ホントの事を言っただけなのに……もう、お母さんなんか、キライだ! きっと、今に罰があたるよ!」
そう言い残して、病室から走り出た哲矢。
反射的にすぐ、その哲矢を追ったお父さん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます