第10話 夢の言葉の意味

 文字の羅列の夢は、僕だけに意味が有って見せられているものだと思って、何だか浮かれて得意がっていたけど……

 実は、そうでも無かったのかも……


 よく夢に影響していると言われているような感じで、僕が起きている時に見聞きした情報を適当に編集されて、たまたまその日の夢として見せられていた無意味な内容だったのかも知れない。 


 我が家は、そういう行事を特に気にして何かを準備するような家ではなかったから、昨日が、七夕という事すら僕は忘れていた。

 夢の中で不思議な情報と共に七夕という事に気付かされたけど、お母さんの言う通り、もう、それは何の信憑性も無いただの夢として扱った方が無難そうに思えて来ていた。


 でも、あの哀しい真実を知った夜に見せられた夢だけは、ただの夢として片付けるには、あまりにも印象的過ぎた!


 傷付いた僕に対するメッセージのような、意味が深いような文字の羅列。

 文字の羅列は、その時の僕の心理状態が影響している気がするから、今回見た夢も、多分、僕の心の叫びが反映したのかも知れない。


『幾多の条件が重なり合った時

 垣間見える別世界

 決死の覚悟整えば

 中間層の使者に導かれ

 死者との再会叶う』


 他の夢は、朝起きた途端、忘れてしまう事も多いのに、文字の羅列の夢の場合、なぜか夢から覚めても、一字一句正確に覚えていられるんだ。


 さっきの文字の羅列の意味は何だったのだろう?

 

 僕なりの解釈では、いくつもの条件をクリア―したら、異世界の扉が空いて、自分が死ぬ覚悟が出来たら、誰かに導かれて、死んだ人と再会を果たす


 ……みたいな感じなのかな?


 要するに、自殺をしたら、天使のような存在が僕を迎えにきてくれて、僕の亡くなったお母さんと天国で会える……って事なんだろうな。


 そうか……


 僕は、どんなに継母が嫌味のような事をして来ても、極力ネガティブに捉えないようにして、今まで頑張って来た。


 けど、そんな頑張りなんて、もう必要ないって事なんだ! 

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