第25話 あずさ

 やっと,建設中の教団信者の宿泊施設が完成した。それと前後して,教団本部の施設も完成した。仮住まいの千雪邸から,教団信者の宿泊施設に引っ越した。


 香奈子が,テキパキと部屋割りを行ったこともあり,引っ越し作業は,1秒の狂いも泣くスムーズに運んだ。でも,香奈子の才能をこんなことに使うのは浪費というほかあるまい。でも,香奈子にとって,仕事があることはうれしかった。


 サルベラたち,魔法使いがいる以上,香奈子は,『千雪の秘書』という立場がいつ剥奪されてもおかしくない。いつなんどき,ハルトの性奴隷や,アダルトビデオに出演されてしまうかもしれない身分だ。


 悩んでもしょうがないので,香奈子は,時間のあるとき,この千雪の組織の実態を小説風にして書きためていた。晴れて,自由?を得られるとき,出版するためだ。今は,こんなことしかできなった。


 香奈子の悩みなど関係なく,引っ越しが完了し,千雪の子分たちは,新しい部屋を享受した。龍子やマリアもこれに合わせて,引っ越してきた。


 この場所は,実は,魔法石の鉱脈が埋まっている場所だ。選びに選んだ場所だ。そのため,この膨大な施設全体を防御結界で覆うことも可能だ。


 結局,千雪は,月本国に来ても,やることは魔界とそう変わらない。


 

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