第24話 暗殺指令
ー 千雪の部屋 ー
千雪「龍子,暗殺命令と声帯の破損命令です。あの営業部長と部長秘書の暗殺です。そして,あの報道番組で巨乳,爆乳と喚き散らしていたアナウンサーへの声帯破損命令です」
龍子「えー?,私がですか??私,あの映像事件とはあまり関係ないしー」
千雪「はい,1億円。龍子も呪詛が得意でしょう?」
龍子「1億円もらっても魔界いったら紙屑だしー」
千雪「すぐに金塊に変えればいいでしょう」
龍子「そっか。OKでーす」
千雪「これが,私立探偵からの調査結果よ。部長秘書,営業部長,それとアナウンサーの住所も記載されてるわ。スマートな方法で実行してちょうだい。それと,声帯はハサミでチョンと切るだけでいいわ。手術で治る程度でいいからね」
龍子「了解しましたー」
ーーーー
その1-部長秘書の住所の近く
龍子「あ,きたきた」
龍子は,帰宅途中の部長秘書を待ち構えていた。彼女が通りかかるちょうどそのときに,地面に倒れたふりをした。
部長秘書「あなた,どうしたの?大丈夫?」
龍子「あ,すいません。急に気分が悪くなってしまって」
部長秘書「救急車を呼びますか?」
龍子「いえいえ,原因がわかっていますから,大丈夫です。つわりですから。少し,横になところがあればいいのですが」
部長秘書「私のマンション,すぐそこだから,よかったら,そこで休んでもいいわよ」
龍子「すいません。ありがとうございます。30分も休めば,すぐよくなります。30分だけでも休ませてもらうとありがたいです」
部長秘書「じゃあ,私の肩につかまってね。5分も歩けば着くから」
ー 部長秘書の部屋 ー
龍子は,リビングルームのソファで30分ほど休んだ。
龍子「楽になりました。妊娠初期なもので,慣れなくてすいません」
部長秘書「まだ若いのに,大変ね。結婚はしてるの?」
龍子「いえ,してくれないです。いつも私に暴力振るって,この胸も,大きいすぎるって,言って,脚で蹴ったり踏んだり,時には,たばこの火まで押し付けるのです」
部長秘書「なんですか,そんな暴力彼氏!訴えなさい。もう別れなさい」
龍子「別れたいのですが,暴力がひどくて,別れられないんです。見てください,この胸,火傷の跡がいくつもあります」
龍子は,Gカップの胸をはだけて,胸についた火傷のあとを見せた。それは,実際にたばこの火でつけた本物のやけどの跡だ。
部長秘書「まあ,,,ひどいー!」
部長秘書は驚いた。でも,どうすることもできない。
龍子が,胸に火傷をつけたのには,大事な理由がある。千雪が龍子の胸に設置した呪詛を解除するためだ。皮膚を焼くことで,呪詛魔法陣を強制的に破壊した。回復魔法が使える者なら,このような荒料理で植え付けられた呪詛を解除することができる。
龍子は,身分証明書を出した。そこには,鍼灸師(しんきゅうし)と書かれていた。
龍子「火傷のことは気にしないでください。私,鍼灸師なんです。ここで休息させていただいたお礼に,体の疲れを癒すお手伝いはできると思います。
5分ほど鍼灸するだけでも,すごく体が楽になります。若い人でもよく効きますよ」
部長秘書「あら,そうなの?最近,仕事がきつくて大変なの。トラブル処理続きでてんてこ舞いなの」
龍子「じゃあ,すいませんが,裸になって,バスタオルを羽織ってもらっていいですか?」
部長秘書「そうね。鍼灸は初めてだわ。じゃあ,お願いしようから」
部長秘書は,裸になってバスタオルを羽織った。
龍子「では,ちょっと部屋暗くしますね。では,頭から針を打ちますね」
龍子は,実際に鍼灸師の資格を有していた。それは呪詛をかけるのに都合がいいからだ。リラックスさせて,そして,呪詛をかける。呪詛の効果が格段にあがる。龍子は部長秘書の胸に極楽昇天魔法陣を設置した。性愛の感度が何十倍にもアップする。相手側も同様にアップする。つまり,2人とも最高の気持ちの中で昇天する。
龍子「はい,終わりました。気分はいかがですか?」
部長秘書「とてもいい気持ちだわ。体がとても楽になったわ。ありがとう。私のほうが,お世話になったわね」
龍子「いいえ,これくらいのこと,大したことありません。では,長居してはご迷惑なので,これで失礼しますね」
部長秘書「ええ,気を付けてね」
龍子が去った後,部長秘書は,新営業部長にラインした。『今日,体調がいいので,部屋にきていいわよ』と。新営業部長は,『あと1時間後くらいにいく』と返事した。彼らがラインのやりとりをするのは,これが最後になった。
その後,2日経っても,部長秘書と営業部長に連絡が取れなかったため,会社の同僚が部長秘書や営業部長の家族に連絡した。そして,間もなく彼らが死亡しているのが判明した。二人とも全裸状態で死亡していた。心不全だった。
ーーーーー
その2-アナウンサーの住所の近く
変装した龍子は,帰宅途中のアナウンサーを待ち構えていた。彼が通りかかるちょうどそのときに,地面に倒れたふりをした。
アナウンサー「君,どうしたの?大丈夫?」
龍子「いいえ,ちょっと,つわりがひどくて。ちょっと休めればいいのですが,,,」
アナウンサー「そうか,私のマンションでよかったら,休んでかまわいけど。男のマンションにいれる訳にもいかんし」
龍子「あの,そこの公園のベンチで休みたいので,すこし,腕を貸していただけませんか?」
アナウンサー「それくらいなかまわい。じゃあ,肩につまかって」
龍子「はい,ありがとうございます」
アナウンサーは,龍子に肩をかして,近くの公園のベンチまで連れていってあげた。公園には監視カメラが作動していた。
龍子「すいません。優しいのですね」
アナウンサー「いやいや当然のことですよ」
龍子「いえ,私の彼氏とは全然違います。私が妊娠したと知ったら,お腹を蹴って,おろせって,なぐるんんです。終いには,わたしの胸にたばこの火を押しつけて,,,ううう,,,このつわりがひどいのも,それが原因かもしれません」
アナウンサー「それは,ひどい」
龍子「男性って,みんなそうなんですか?」
アナウンサー「いや,違うと思うよ。少なくとも私はとても優しい,かな?」
龍子「そうなんですね。私,男運がなかったのですね」
アナウンサー「あなたは,美人だし,まだ若い,これからまだまだ出会いのチャンスがあると思うよ」
龍子「そうなんですか?? わーん,わーん」
龍子は,アナウンサーの体に抱きついて,泣いた。Gカップの胸を彼の体に押しつけた。彼は,一瞬,エッチな考えが浮かんだ。『もしかしたら,,,』
アナウンサー「え??なんで,そんなに泣くの?泣かなくていいのに?」
龍子「実は,ついさっき,彼氏の家から追い出されたばかりなんです。今日,泊るところもないんです。ううう」
アナウンサー「そうなのか? それは気の毒な。私の家はまずいな。妻もいるし。うーーーん。じゃ,今日,ホテル泊る費用は出してあげよう,明日には実家に帰るんだよ」
龍子「ほんとに優しいんですね」
アナウンサー「ちょっと待って。ホテルの予約するから。それとタクシーも呼ぶから」
アナウンサーは,龍子を抱きかかえるようにして,タクシーに乗せてホテルに行った。ホテルでは,彼がチェックインして,龍子を抱きかかえて部屋に入った。そして,そのままベッドの上に龍子を横にした。
ここまで来た以上,龍子は,いつでも彼を攻撃できる。でも,せっかくなので,ゲームを楽しむことにした。まあ,せめて彼には,自分の胸くらいは触らせてあげようと思った。
龍子「わたしの服を脱がして,胸を見てください。たばこの火で押しつけられて,火傷だらけです。そんな胸でも,やさしいあなたなら,,,やさしく扱ってくれますね?」
その言葉に,彼は,嬉しくなった。この女の子は,抱かれるつもりだと思った。
彼は,龍子のブラウスを優しく脱がした。ブラジャー越しからでも,胸が火傷しているのがわかった。
アナウンサー「これは,ひどい」
龍子「ブラジャーも脱がしてください。こんな火傷した胸ですけど,やさしく触ってください」
アナウンサー「わ,わかった」
アナウンサーは,ブラジャーを外してあげた。龍子のGカップの胸が露わになった。火傷の跡,それ自体は,小さな丸状なのだが,それが,胸全体に及んでいた。ここまでの火傷となると,たばこの火を押しつけられた回数は,50回は下らないようだ。
そうでもしないと呪詛魔法陣を完全に破壊することはできなかった。
アナウンサー「かわいそうに。こんなにもたばこの火を押しつけられるなんて!」
龍子「彼は,たばこの火を消す時は,必ずわたしの胸に押しつけて消すんです。それを何回もされたので,今では,たばこの火を押しつけられるだけで,なんか感じてしまいます」
龍子のこの言葉は真実だ。彼女は千雪の子を妊娠している。かつ,胸に植え付けられた呪詛魔法陣を解除するため,たばこの火でその魔法陣のある皮膚を焼いていると,火傷の感覚が快楽のように感じてきた。
龍子「もう変態にされてしまいました。わーん」
龍子は,泣くと同時に,上半身裸のまま,彼に抱きついた。こうなっては,彼も答えなくてはいけない。彼は,龍子の唇にキスをして,右手で龍子のGカップの胸をやさしく触った。
彼は,頃合いをみて,自分の服を脱ぎ始めた。
その時だった。龍子の手が,彼の後頭部に触り,勢いよく魔力が放出された。そして,彼は意識を飛ばした。
龍子「ごめんなさいね。アナウンサーさん。別にあなたが悪い訳じゃないのよ」
龍子は,外科手術用のハサミ部が小さくて,柄が長いハサミを取り出して,アナウンサーの声帯を一カ所,ほんのちょっとだけカットした。血が出るかでないかという程度だ。
龍子「これで任務完了。まあ,1,2週間もすれば回復するでしょう。じゃあね、バイバイ」
龍子は,ホテルを後にした。
ー 日の出テレビ局局長室 ー
秘書「局長,例の部長と部長秘書が死亡しました。ベッドを共にして死亡したようです。死後2日経過していたそうです。
治安部では事件性はない,として処理しました。α隊隊長は,私にこっそりと言っていました。これで,今回の特別報道番組に関する”ごたごた”は終了するだろうって」
局長「そうか。彼らには気の毒なことをした」
秘書「でも,ほんとうに呪詛ってあるのですね。このような殺され方をされては,犯人の特定のしようがないですね」
局長「われわれは,今一度,襟を正して,放送倫理を守っていかなければならん。視聴率ばっかりに目を奪われてはいかん。いい教訓だ」
秘書「それと,偶然かもしれませんが,特別報道番組のアナウンサーですが,2週間ほど仕事を休むそうです。どうも声帯が切れたそうです」
局長「そのアナウンサーは,当社の社員か?」
秘書「いいえ,フリーのアナウンサーです」
局長「そうか,ならいい」
ー 千雪の部屋 ー
龍子「千雪様,例の部長と部長秘書は亡くなったよ。気が晴れましたか?アナウンサーも2週間,仕事お休みだって」
千雪「あっそ。ご苦労様。もうこの件はこれで終わりにしましょう。もう行っていいわよ」
龍子「頑張って仕事したのに,何の褒美もないのですか?」
千雪「十分,お金あげたでしょう?」
龍子「成功報酬はまた別です。それに,わたし,千雪様の子を妊娠しているのですよ。もっと,やさしくしてください」
千雪「わたしだって,妊娠しているのよ」
龍子「えー? 誰の子?」
千雪「千雪様の子よ」
龍子は,開いた口が塞がらなかった。
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