第6話 何処かで拾った引用文。伏線の真逆?

伏線(foreshadowing)のアナロジーで、その逆を意味する“sideshadowing”という概念を提示している。これはトルストイやドストエフスキーの長編小説に顕著にみられるもので、物語上で描かれるある場面が、後で振り返ると物語の主筋とは何の関係もなかったことが分かるというものである。モアソンによれば、こうした方法はフィクションの真実らしさの度合いを高めるのに役立つ。なぜなら、読者は現実の生活が小説のように首尾一貫したものではないことを知っているからである。そしてこうした方法によってもたらされる構成欠如の感覚は、読者に現に起こる出来事の意味を問い、解釈させることを促す。

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