第11話 皇太子①

それから5年後

私は8歳になり、レイドルは13歳、レイズンは11歳となった。

「……ねぇメルもうそのドレスでいいんじゃない?」

「……いや、ダメです。だって今度は皇宮でパーティーがあるんですよ!とことん可愛くしないと!」

…いつもこの時間は地獄だ。もう何時間経ってるんだ?

「レス入るぞ」

「お父様!」

お父様、助けて!と言いたいところなんだが…

「ゔゔ!可愛すぎる!これじゃ何処の馬の骨かわからんやつに取られてしまう。」

…お父様、それ毎回同じこと言ってないか?

「……レス」

「レイドル兄様やつれた?」

「そりゃやつれるよ。」

うん。兄様達もお疲れ様。

そして当日

「おお〜。兄様パーティーでモテちゃうね!」

「いや、どちらかと言うと」

「お前の方が危険だな」

兄様方はそう言うがなぜ?

『貴方とても美しいですからね』

『そうか?お前が言うならそうなのだろうな』

エルフはとても美しいのだ。そんな彼が言うならそうなのだろう。

「私は済でスイーツを黙々と食べているから兄様達頑張ってね」

私は兄様を見捨て呑気にスイーツを食べていた。

お父様は皇帝の護衛をしているが流石冷血の公爵と皇帝、オーラがすごい。第一皇女様は風邪をひいて参加出来ないらしい。

今回は帝国創立記念日のパーティーだった。

第1…いや、皇太子となった第1皇子は沢山の令嬢に囲まれモテモテ。第2皇子もだし。第2皇女はパーティーが苦手らしく不参加。第3皇子も皇女もだ。

「…それにしても汚い魂の持ち主ばっかだ」

ていうか皇宮のスイーツ美味しいな。

「美味しいかい?」

「めっちゃ美味し…あら皇太子殿下大変失礼しました。」

「いいんだよ。」

ていうかなんでこっちをずっと見ているんだろうか?

「君はランプシィ公爵令嬢だよね?」

「ええ。」

彼、よく見ると目が…。リファレンス?

ていうか

なんでほかのお貴族様やご令嬢と違って穏やかな雰囲気なんだ?

「あの…何か?」

そしたらとても落ち込んだように

「もしかして覚えていないのかい?」

え?

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