第10話 ソフィアside

私はオリヴァーがあの子を連れて戻ったのを見た時驚いたわ。

あの子は涙を流していたの。

それで次の日、レス達の専属使用人や私たちを集め

信じても信じなくてもいいから話を聞いて欲しいと。

「…私、前世の記憶があって…兄様達とは3兄弟で私も男だったのです。 」

辺りがざわついた。私も驚いたわ。レスドル達も前世の記憶持ちだって言ったのよ。けれどオリヴァーが嘘とは言わないということは本当なのだろうと思った。

「私は愛する人が居たのです。兄様達以外でゆういつ信用できる優しい女性でした。」

レスはその時とても柔らかい笑顔をしていた。

本当に愛していたということがとても感じとれた。

「でもある日、私にも友人ができ、信用出来るやつでもあったのですがアイツは私を裏切り、そして天族の天使も居たのですがそいつらに兄様達は殺され、大切なセルリア、愛する者全てを奪われました。」

なんということだろう。彼らは前世、殺されたという事実を知った時、皆驚愕し、絶句していた。

「私は昨日の夜、その夢を見ました。……久しぶりの絶望感を味わいましたよ。私は何回か転生して幸せになったはずなのにずっと心に穴が空いたような状態だったのです。」

レスは可哀想な程に悲しい顔をしていた。

「本来であれば私の魂で別の者が今世を生きるはずだった。私は表に出ないはずだった。でもフランを覗いて貴女方を見ていたら、何故か暖かい気持ちになって……」

レスは涙を流した。

「いつの間にか表に出て自然と笑えるようになりました。私は自分のことしか考えてなく周りを見ていなかった。」

そしたらレスはとても穏やかな笑顔で

「私は貴女方の娘になれて幸せです。ありがとうございます」

そう言い、私達に抱きついてきた。

「大好き」

そう言って。

私も

「私達の元に来てくれてありがとう」

私はこの子が穏やかに過ごせるように守っていこうと思った。そしてレイドル達も。今世では笑顔で何事もなく成長していってほしいと心から願った。

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