第6話 家族というもの
そしてお父様が夕食に来たあと私の今日のことについて話が出た。
「貴方にあんな力があったなんて……。」
「しかも口調もすごく男らしかったな」
……私は1回目の人生が男なためか敬語でお嬢様口調でないとダメなのだ。タメ口になるとこういった口調になってしまう。
「私起こると無意識にそうなってしまうみたいですわ」
父様は言った。
「……今度皆でお出かけにでも行くか」
そして私達は数日間過ごしていくうちに家族の穴が埋まっていくような気がした。
そしてフランを通して彼らの光景を見ているといつの間にか私が表に出ていることがあった。
「……お母様、お父様、メルそれに皆、おやすみなさい」
…こんなに幸せなのは何時ぶりだろう。
『…家族って暖かいんだな。』
エドや皆が口々に言っていた。
私は今までで兄達のあんな幸せな顔を見たことがなかった。
「彼らは信用できる。何より兄たちの笑顔が証拠だな…。使用人も親切だし、こんなのは今までで1番だ」
私は夢を見ていた。1度目の人生での彼女の夢を
『キリル!逃げて!』
『嫌だ!セルリア、君も一緒に』
彼女はアイツに…リーバイ!
「はっ! はぁ……はぁ」
ああぁぁぁ……セルリア。私の愛しいセルリア。
ごめんな……お前を守れなくて…情けなくて
ごめん…
私は目が覚めたと思ったら涙を流していた。
まだ外は暗かった。
……気分転換に外に出よう。外に出たらお父様に出会してしまった。表に出たのは1週間ぶりか…
私がお父様と呼ぶ前にお父様は私を抱きとめた。
「……なんて顔をしているんだ、お前は」
私はそんな酷い顔をしているのか?
中にいる者たちも悲しそうな顔をしていた。けれど本体の体は表に出ない限り見えない。
「……どんな顔を…していますか?」
「…絶望に満ちた…悲しい顔をしていたよ。レスは前よりは楽しそうにしていたと思っていたんだがな」
……え?
「それはどうゆうことですか?お父様」
お父様はまるで私が今まで楽しくなさそうだったと言うように。
「私はね、お前と過ごして居る時、信じようとしているのにどこか一線置かれたように感じたんだ。笑っているように見えているけれど、少なくとも一番お前の近くに居たものは気づいていたと思うよ。」
……今までの人生バレていないと思っていた。
もしかして……
『…私たちの人生で身近に居たもの達には気づかれていたのかもしれないわね。』
いや、これは
『リファレンスだ。歴史の本に書いてあった。まあ、でも身近に居たものは本当に気づいていたみたいだな』
エドは言った。そして
フランも衝撃を受けたように呟いていたが、皆もだった。
「……お父様は私が前世の記憶があると言ったら信じますか?」
「え?」
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