第5話 父親②

夕食の時が来た。

「母様父様は?」

「レイズン…」

「来てないんですね?母上」

(ガタッ

私は立ち上がった。

「レス?!どこ行くの?」

「お、お嬢様?」

お母様と専属メイドのメルは困惑していた。

兄様と兄上は

「…………まさか」

「凸りに行ってきますわ♡」

お、お嬢様〜?!と追いかけてくるもの達を置き去りにあっという間に走り去ってしまった。

「……はぁ…。お前まさかこのドアを」

「レイドル兄様まだ、やりませんわ」

私はドアの前にいる騎士の元へきた。

この騎士たちはお父様の騎士団のものでガブリエル総騎士団長がお父様だった。国王の近衛騎士でもある

「ノア、そしてグレイソン。父様の部屋に入れなさい」

私がそう言っても彼らは今誰も部屋に入れるなと言われているでとしか言わない。

「何故です?……家族がこんなにも心配しているのに…」

「それでも公爵様の命令なので」

「……そう。」

そして私は彼らに近づいた。そしてニコッと笑った瞬間。

ドガーン!

「いい加減にしろ!」

ノアとグレイソンは目を見開き驚いていた。

「……お嬢様?!」

ノアが悲鳴をあげていた

「なんてことしてんですか?!」

グレイソンは絶句していた。

「……」

お父様も目を見開いていた。

私は胸ぐらを掴んだ。

「何故いつも無視をする?お母様もあんなに心配していた。それがなんだ。久々の家族の再会だと言うのに挨拶もしないで無視?どうやら私達のお母様はただのお飾りだったようだな。」


私が本来の口調でブチギレていると違うと主張してきた。

「こんなにも血に汚れた私が怖いんだ。そして何より私のせいで皇太后に……脅されているんだ。皇太后は私の夫にならなければ大切な人を殺すと」

「だからと言って言わなければ分からない。ねぇ、知ってる?お父様。」

お父様は今にも泣きそうな顔で私の顔を見た。

「お母様はねいつも窓の外を見て貴方の心配をしていたんですよ。そして貴方の話をしている時のレイドル兄様は悲しい顔をし、レイズン兄様は初めて見父親を楽しみに待っていたのにそれは裏切られた。」

「……すまなかった。」

彼は泣いていた静かに。

「……おかえりなさい。そして初めましてお父様」


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