君はこの先ずっとずっとずっとずっとずーーーっと、この部屋で私と暮らすの
んー、終わった終わった。ただいま〜。……ちょっと、そんな険しい顔で見ないでよ。心配しないでも、お話は無事に終わったよ。しばらくはアイツらも来ないはず。
えっ、私に血がついてる? あーっ、本当だ。あっちにもこっちにも……意外と浴びちゃったかぁ。うん、でも大丈夫。これ全部返り血だからさ。私自身はどこも怪我してないよ。なになに〜? 心配してくれてるの〜?
……へ? に、臭うっ!? ちっ、ちがうし! ちょっと、女の子にそういうこと言わないでよ! 私が臭いんじゃなくて、だってこの血が……あぁ〜〜〜っもうっ! シャワー! すぐシャワー浴びてくるから! 顔が赤い? うっ、うるさい!!!
(走り去る音の後で、ドアがバタンと閉まる。その後、シャワーを浴びる水音が響く)
はあぁ〜、さっぱりした〜。身体中隅々まで洗ってきたんだから、もうこれで臭く無いでしょ? そうそう、石鹸のいい匂いが……って、そんなじっくり嗅がないでよ!? 嗅げって言ったのはそっち? そっ、そこまでして良いなんて言ってないじゃん! へっ、変態!
ああっ、もう。変なこと言うから、顔熱くなっちゃったじゃん。ちょっと私、水飲むから。もう変なことしないでよ? はー、あっついあっつい、水みず〜。
(ゴクゴクと水を飲む音)
ぷっはー、生き返るー! お風呂上がりの水、サイコー!
あっ、君も水飲みたい? そうだよね、しばらく何も口にしてないんだし。でも猿轡したままじゃ飲めないしなぁ……点滴じゃだめ? ごめんごめん、冗談だって。じゃあ猿轡外すけどさ、突然大きな声出したりしないでね? またアイツらがこっちに気づいちゃうからさ。うん、わかればよろしい! じゃあ、外しまーす。
はーい、外れたよ。良かった、変な跡とかにはなってないね。……んっ、何目を逸らしてるの? あー、また私の匂い嗅いでたでしょ! やーらし〜。もー、そんなんじゃお水あげないよ? なーんてね。はい、お水。
……あっ、そっか。手足はまだ縛ったままだから、コップは持てないか。んー……ふふふ。そうだ、いいこと思いついた。自分で持てないんじゃしょうがないよね。うん、しょうがないから、私が飲ませてあげるよ。はい、お口開けてね〜。あーん。
(ピチャピチャと口に水を入れる音)
どう? お水おいしい? あはは。こうしていると、なんだか雛鳥に餌をあげてるみたい。たーっぷり飲んでね。もう一杯飲む? もういい? そっか、また喉渇いたら言ってね。
そうだ、お腹はまだ空いてない? もう少し時間経ったら、ご飯もこんな風に食べさせてあげるからね。大丈夫、私料理は得意だし。楽しみにしてて!
いちいち食べさせるのも大変だろうって? そんなことないよ。こうして君のお世話するの、とっても楽しいもん。そんなこと言って、手足の枷を外させようとしてるんでしょ? ダメだよ。それは絶対に外さない。だって君、外したら家に帰ろうとするでしょ? 私が泣いて頼んだって、足にしがみついて止めたって、無理矢理帰ろうとするでしょ? そんなのダメ。絶対に君は、この部屋から出さないよ。君はこの先ずっとずっとずっとずっとずーーーっと、この部屋で私と暮らすの。一生、死ぬまで、2人きりで。ね? それってとっても素敵だと思わない? あは、あはははは! あははははははは!
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