所在不明

夕闇暗闇を駆け抜けて

辿り着いたここ、どん詰まりにて

過ぎ行った人の数を数えては溜息

知人の陰口に胸を痛める罪悪人


罪悪人だから見える世界があるからって

一万十万の文字を書き殴った所で

多少変わったつもりだが結局性根はそのままで

景色だけが変わって変わらない僕自身


光もない暗夜にされど星々は光っていて

いつかあんな風になれたらと願った少年は

今やすっかりその夢も叶わず地面に埋まってら

「願う者に与えられる」なんか嘘は止してくれ


そう綴った三流脚本家はどうだ

住処だった崩れかけた館も追い出されて

最近の土砂降りに今日も薄着で打たれて

それでも「雨で風邪は引かねえ」と強がってる


結局僕ら所在不明

自分の存在意義は結局他人からの承認で満たされ

他人に尽くせど自分が分からないから

「自分に優しく」なんて出来ねえよ


夕闇暗闇駆け抜けて

辿り着いたここ、どん詰まりにて

降り出した雨を睨みつけて今日も叫ぶのだ

「俺とは一体なんなんだ」


帰ってくる声はない

生き先だって見えない

幸せになって、と他人に言うが自分には言えない

そんな僕ら行方不明

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