1・初めての不倫 『来たぜ! Fカップ?』

 俺は”おかん大好き”から”自主規制”へ名前を変えた。

 ふはは! 生まれ変わったのだ!

(その名前で、本当にいいのか?)


 1日3歩しか進めないため、時間は慎重に選びたい。

 Fカップ美女のいる、時間帯を。

(懲りない奴である)


 俺は予備知識を手に入れる為、ゲーム攻略板へ潜入。

「今度こそ 成功させたい Fカップ不倫」

1句出来たぜ! さすが、俺。

(ただの馬鹿である)


「えー何々なになに?」

 ここは有名なゲーム攻略板、その名も”モザイクチャンネル”。

 注※架空です。検索しないでください


モザイク1:俺、今週で102歩進んだんだぜ!

モザイク2:マジかよ。すげえ。どうやってイケた?

モザイク1:ひたすら前進。おかげで”匍匐ほふく前進”の称号手に入れたよ

モザイク2:そんなのあるのか

モザイク1:まあ、ハゲ親父と8回不倫したがな

モザイク2:相手選ぼうぜ! (笑)


「あまり、参考にならないな」

 俺は、Fカップ一択だ。

 まあ、ちょっと……オス犬とその……あれな感じにはなったけど。うん。

 

 俺は気を取り直して、すごろくの箱を開けた。

 時刻は22時。不倫に最適な時間だ。


───22時。今宵も俺は三歩く。


 俺は玄関から三歩先に転生された。

『ようこそ自主規制、三歩の世界へ』

 なんだかややこしいことになっている。


 さて、どっち行こうか。

 右を見ると体育会系の男がバーベルを持ち上げていた。何故だ。

 前を見ると、可愛いケーキ屋のお姉さんがチラシを配っている。

 しかし、Aカップだ! 狙いたいのはF。

 ABCDEFのFだああああ!

(ただのクレイジーである)


「おお!」

 なんと右に、カベから胸だけ見えている女性が!

(どんな状況だ)

「これは来たかああああ!」

 俺は喚起の声を上げ、右に進むことにした。

『自主規制、右へ三歩進みます』

 なんだ、この音声は。

 一先ひとまず音声のことは気にするのをやめ、カベから出ている胸子にエンカウントを……。


『飛びかかる自主規制ーーーーーーッ! エンカウントなるかああああ?! ゴール。ゴールを決めましたあ! 感動、感動です! 観客みな一同、手を振っています!』

「はい⁈」


 チュートリアルが終わると、どうやら実況モードに変わるらしい。

 俺は実況を無視し、胸子を見た。

「ちょっとぉ。あんた何してるのよ?」

 どうやら女性ではなく、偽カップオカマである。


『イベント発生! おめでとー! おめでとおおおおおお! 観客一同、みな一様に涙を拭いています。自主規制、イベントを発生させましたああああ!』

 俺は、偽カップオカマと不倫した。


「ぎゃあああああああ!」

「ぶつかって置いて。逃げる気じゃないでしょうね。今夜は寝かせないわよ」

 偽カップは既婚者だったのだ。

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