初心者編

0・チュートリアル 『人生そんなに甘くない』

 ゲームと言えばチュートリアル。

 チュートリアルと言えば、ヽ(●´ε`●)ノと現実。

(何言ってんだ、オイ!)


───そんなこんなで、チュートリアルですよ。


『ようこそ! 三歩の世界へ!』

(そういう略し方?!)

『まずは、名前を決めてください』

 名前、名前ねえ。適当でいいかな。

 しかしこの選択が、後に羞恥へ誘う。


※あああは避けます。

 喘ぎ声みたいになっちゃうからね!


『早く、名前を入力してください』

 チュートリアルが、急かしてきた。

「えっと、じゃあ。おかん大好きで」

 名前を呼ばれることは無いだろうと踏んで、俺は適当な名前にしてみる。

『おかん大好き、上下左右に進めます』

「上下?! 地面に埋もれる感じ?!」

『おかん大好き、誤字を修正致します。前後左右に三歩進めます。戻るとカウンターが戻ります』

「前後左右な」


 ああ、びっくりした。

 俺は前後左右を確認する。どう考えても後ろは俺の家だ。

 右を見る。

 タバコをふかしたチーマーがいる。

 出来れば女性がいい。


 左を見る。

 隣の家のおばちゃんがいる。

 出来るだけ、若い女性がいい。


 前を見た。

「Fカップ美女おおおおおお!」


『おかん大好き、早く進んでください』

 チュートリアルに再び急かされる。

 俺は鼻血を吹きそうな勢いで前進。

 しかし、Fカップにエンカウントしようとしたところ、横から何かが飛び出してきた!


「待ちなさい! シロ」

 俺は散歩中の大型犬、シロとエンカウントした。


 待て、人間以外は不可だよな?

 そう思った時、イベント発生!!!!!!

「ちょっ……まッ……ぎやああああああ!」

『おかん大好き、イベント発生。おかん大好き、不倫成功。おかん大好き、おめでとう!』

 俺は、オス犬と不倫した。



───1時間後。


『おかん大好き、ゲームの概要は、わかりましたか? チュートリアルは以上です』

 俺は、とりあえず名前を変えようと思ったのだった。

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