第12話『童話の里の団体会議』

 輝雲の七月剣友の二十八日、土曜日。

 童話の里の集会所に集合したのは、NWS他、環境修復を手掛ける5団体からの仮代表五名だった。

 NWSが仕事の外注をすることに決めたのが、約1週間前。

 仲介役を引き受けたフィリップ・アスペクターの呼びかけで、会議が開かれる運びとなった。

 NWSからはマルク、ポール、アロン、そして書記のトゥーラが参加していた。

 司会にはフィリップが選ばれ、挨拶から始まる。

「皆さん、ご多忙の中、会議にご臨席くださりありがとうございます。この度はNWSが仕事を外注するにあたり、受注の意志を固めた5団体に集まっていただきました。まず開始の挨拶をマルク・アスペクターより述べさせていただきます」

 指名を受けたマルクが席から立ち上がる。

「お疲れ様です。生命の樹より世界の大変革の託宣が下ってから早5ヶ月目を迎えようとしています。我々の果たす役割も多種多様となり、童話の里が発信地となって実に様々な奇跡を目の当たりにする機会が増えました。そのため、NWSでは対処しかねる案件について、他団体のご協力を仰ぎたくこの場を設けていただきました。何卒よろしくお願い致します」

 誰からともなく拍手が起こる。

 口火を切ったのは、ギビングスカイロードの鳥俯瞰者、ロバート・アスペクター(男性・45歳)。

「やっとその気になってくれたか……。童話の里はNWS以外さっぱりだと悪評が立たないうちに、目を向けてくれて助かるよ」

 ハハハ、と笑い声。

 続いてグロリアスポスタリティーの鳥俯瞰者、フミナ・アスペクター(女性・63歳)より。

「万世の魔女が代表を務める団体ならではの、奇抜な仕事を期待してますよ」

 さらに、ランドスケープオブメルシーの鳥俯瞰者、ハンス・アスペクター(男性・34歳)より。

「そのまんま突っ走って、どこに行くのかと思ったよ」

 次にシンプルハートディグニティ―の鳥俯瞰者、イサク・アスペクター(男性・29歳)より。

「どっかで破綻するとは思ってたよな」

 最後にトラディショナルオークツリーの鳥俯瞰者、リサ・アスペクター(女性・29歳)より。

「ホントよ。いつ失態やらかすか、ひやひやしたわ」

 5団体の仮代表の彼らは、NWSの初仕事の時に仲間だった者たちだ(代表は修法者が務め、鳥俯瞰者らを管理しなくてはならない)。

 NWS結成当初、鳥俯瞰者は20数名いたのだが、9名はNWSリーダーとなり、他は別団体を起ち上げたのである。つまり、NWSは童話の里が団体活動を始めるきっかけなのだ(ルイスは平面者から鳥俯瞰者になった)。

「……そんなの待ってないで、手伝ってくれりゃいいものを」

 ポールがボソッと言って、リサにピシッとやられる。

「そこ! うるさい」

 肩を竦めるポール。
























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