第11話『翌朝』
翌朝、生産修法の仕事に集まったNWSリーダーたち。
全員、先日の疲れを残したままの出勤だった。
それはすぐにセイル長老の知るところとなって、十人は急遽休むことになった。
気の補充のため、集会所の裏手にある小川公園で寛ぐことを勧められる。
みんななんとなく草地に座って、緑風を感じている。
「ああ、いい風だ……」
ランスが呟いたが、これに答える者はいなかった。
ナタルとポール、キーツは三人揃って寝転がって大の字になっている。
オリーブとタイラーは小さな声で話していた。
トゥーラは文庫本を読んでいたし、マルクにアロン、ルイスは三人で何か論じていた。
日はどんどん中天に差し掛かって、誰かのお腹が派手に鳴った。
「あ、俺腹減ったかも」
そう言ったのはナタルだった。
「今朝、あんまり食べられなかったんだよね……」
キーツが眉をしかめながら言った。
「俺も俺も。なんか夕べの出来事が強烈すぎて、食欲まで落ちたみたいでさ」
ポールが言うと、隣に座っていたランスが立ち上がった。
「なにか持ってきますよ。なにがいいですか?」
「あ、俺も行きます」
ルイスが名乗りを上げた。
だが、その必要はなかった。
「おーい、NWS。差し入れだぞ――!」
真っ黒に日焼けした30代の男性と、ウエイトレス姿の20代の女性で、どちらも顔馴染みの里人だった。
キッチンクロスの上に広げられた、パンやおにぎり。サラダに野菜スティックとバーニャカウダ。唐揚げに鶏の照り焼き。ナポリタン。よく冷えたメロンやスイカ。これまたキンキンに冷えた麦茶。温かいハーブティーもあった。
「おおーっ、超豪華版!」
ポールが両手を突き上げた。
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