第71話 僕と彼女の、繰り返される夏を読んで繰り返される夏の風景を満喫しちゃいました。
このレビュー作品は自作品のキャラ愛から来る自己満足な作品です。
自分の書いた作品が終わってキャラ達が埋もれてしまうのは寂しい・・そんな想いからなんとかならないか考えて生まれました。
同時に他作品をしっかり読む事で、自己の今後の作品の向上にも繋がるとも思います。
それに埋もれている作品達に対してのPRにもなるのではないかと考えて、それぞれ目指す物があると思いますが、投稿している作者の方々に共感と敬意を表して・・・。
褒める作品、おこがましいですが改善点を指摘する作品あるとは思いますが、ただの馴れ合い読み合いレビューではなく、良い所も悪い所も含め素直な感想でお互いの向上になれたらいいなと思います。
よろしくお願いいたします。
●今回の読書作品
【作者】 木立 花音 様
【作品名】 僕と彼女の、繰り返される夏
●今回の読書会参加者
加納友美:加納友美:動物と話せる高校生。オールジャンルOK なりきりスキル発動によりどんな作品も対応可能。
カメの亀頭カメッチ:友美さんの家で暮らす、下ネタだらけのカメ。解説役。
ムササビのムサッチ:飼い主がお笑い芸人。自称その一番弟子。
読書会は既に始まっています。
カメッチは思い出したように、突然話し始めました。
『友美。ところであなた、秋田に何度か行った事あるって本当?』
『あ、うん!昔は毎年夏・冬に行ってたよ!大曲の花火大会を横手の河原でみたり、きりたんぽ鍋とかよく食べてたよ。豚汁とかもなんか出汁が違うんだよね。今だに何使ってるかわからないけど美味しかった!』
『でも、この作品の舞台は山口県よ。関係ないわね』
『あ、うん。そうだね・・・』
(え?最初の話題なんだったの?)
『それとあなた、こないだお兄さんと本格的中華料理屋に行って、ラーメン頼んだのに半ラーメンが来てお兄さんが文句言ってくれて、それからどうなったの?』
『え?あー。えっと・・・もう一個半ラーメンが来た・・・確かに0.5+0.5は1だけど、ちょっと・・・って思ったよ』
(え?カメッチなんで知ってるの?)
ムササビのムサッチもふざけて、飛膜をバタバタさせながら話し始めました。
『私もいいかな?友美ちゃんの面白い話あるよ!こないだワクチンの予防接種に行った時に、会場入り口の検温者の方が二人待機。右が筋肉隆々のマッチョ男、左がご年配の女性の方で、必死の右オーラの祈り空しく左で会場で激怒したって聞いたよ!アハハのハ!』
『アハハハハ!友美!あなたいい加減にしなさいよ!どんだけマッチョ好きなのよ!真昼間から性欲むき出しにするのはやめなさいよ!』
『・・・・・・』
(別に激怒もしてないし、性欲もむき出しにしてないんだけどな・・・)
『それはそうと友美。今回のこの作品凄いわね』
『え?あ、うん!面白いよね!』
(いきなり?)
『この作品は他人に興味や関心のない主人公の少年が、元気で人気者のクラスの女の子と表面上の形だけ付き合う事になったけど、その子が突然変わり果てた姿で発見されて・・それを回避しようとするタイムリープのお話ね』
『そうだね!でももっと色々複雑な話だよね!』
『タイムスリップ?時間がスリップしてこけちゃうのね!アハハのハ!』
『・・・・・・』
(ムサッチ・・・あなた今日調子悪いの?全然面白くないよ?)
(しかもタイムスリップとタイムリープは別物だよ。すべった上に、見当違いなネタはやめてね)
『とにかくこの作品は良く練り込まれているわね』
『そうだね!設定とか複雑だし伏線とかすごい張り巡らされてるよね?』
『それもあるけど、私が凄いと思ったのはちょっと違うのよ』
『どう言う事?カメッチ?』
『主人公の感情の動きの推移の方ね。私、最初の方は表面上だけとは言え付き合ってる彼女が亡くなっているのにも関わらず、あんまり主人公がヒロインのがこの世にいなくなって悲しんでいる描写が少なかったの。だからなんなの?この冷たい男は?って思って感情移入出来なかったの。でも、今思うとそれも作者様の表現技法の一つだったのね』
『なるほどだね』
『そしてタイムリープして色々な事を彼女と経験していく上で、主人公のヒロインに対しての感情描写も変わっていくの。その変化の過程の描写が素晴らしいわ。段々とイチャイチャしていくシーンは直視出来なくなっていったわ。恋愛ってもちろん一目ぼれとかもあって、全てとは言わないけど段々と育まれていく恋心ほど、儚く、深い絆であると考えさせられたわ。こう言った恋愛文芸作品は作者様の十八番って感じがしたわ』
『友美ちゃん!私の最近の十八番の小話聞いてくれる?』
『え?まあ・・・いいよムサッチ』
『ある新聞社に、自分はタイムスリップして縄文時代で写真を撮影してきたと話す男が写真を持ち込んで来ました』
『うん』
『そして新聞社の編集長は大変驚き、その写真を見せてくれないか?とお願いしました』
『うん』
『その男はこれなんです・・・と写真を見せました』
『うん・・・ん?』
『編集長は、これただのあんたの顔写真じゃないか?と言いました』
『・・・・・・』
『ええ。撮影したのが縄文人なんです・・・・アハハのハハハ!』
『アハハハハ!!なにそれ?最高!!』
大爆笑のカメッチ。
『・・・・・・』
(ムサッチ・・・そのネタ前にも披露したはずだよ?ネタ被りって・・一番やっちゃいけない代物だよ。本当に最近のムサッチダメダメだね。しかもまだタイムリープとスリップ勘違いしてるの?)
『私のネタで脱線しちゃったけど、この作品は色々な伏線とかがあるけど、これでもかって言う風景描写が丁寧よね』
『あ、うん!そうなんだよね。目に浮かんでくるね!』
『そこなのよ。友美』
『え?どう言う事?カメッチ?』
『この作品、先ほども少し話に出たけど練り込まれた設定や伏線、おそらくかなり時間をかけて書き出してるわね。途中で何度も修正を重ねて。そんな執筆の様子が浮かんでくる作品よ。それに風景描写ね。これも細かくて丁寧。文芸作品としては普通に書籍レベルじゃないかしら?でもそれらはあらすじや表面的に出てくる、当たり前の評価ね。それは沢山の感想やコメント見ればわかるでしょ?』
『うん。そうだね』
『でも、本当に逸脱なのはさっきも話したけど、登場人物のリアリティある心情描写の変化と成長?と表現していいのかしら?何度も繰り返す夏を経験していく上で変わっていく思春期の心の変化みたいな物が読者に知らず知らずに伝わっていく様な・・・読後感の良さも相まって素晴らしい作品よ』
『うん!私もそう思うよ!あ、方言がちょっとわからない所があったかも』
『友美!だったらネットで調べて今度の夏に聖地巡礼でもしてきなさい!』
『そうだね!なんか行きたくなっちゃった!』
『行ってもいいけどイクのは駄目よ』
『・・・・・・』
『夏の出会いって本当に素晴らしいわね。この後も作者様の情緒あふれる別の恋愛作品を読みましょ』
『うん!!・・・あれムサッチは?』
そこには真剣に作品を読んでいるムサッチの姿がありました。
『友美ちゃん!主人公の名前って・・・・』
『駄目!ムサッチ!ネタバレになっちゃうよ!』
『そうだよね!ごめんなさい!アハハのハ!』
興奮して床から普通に飛び立ち、部屋を飛び回るムサッチ・・・。
(あなた本当に滑空だけじゃなく、なんで普通に飛び立てるの?)
私はその後みんなと朝まで、別作品も読みポワポワと余韻にふけっていました・・・。
作者 木立 花音 様
今回はご了承有難うございました。
今回の作品へはこちらからどうぞ!
https://ncode.syosetu.com/n7900fv/ (小説家になろう)
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