第68話 【総集編】私は薔薇だけどあなたは百合だよねを読んで動物大集合しちゃいました。前編

この作品で、感想レビュー物語を書いた全ての作品、本当に楽しく読ませて頂きました。


各作品のレベルの高さに世界が広いと言う事を痛感しています。


先日カクヨムで、ある作家さんのノンフィクションエッセイを読みました。


それは衝撃的な内容でした。


ある芥川賞作家が、ひょんな事からエッセイの作者さんを誹謗中傷するDMを送り、その作家さんは自殺寸前にまで追い込まれたと言う体験でした。私にはどう考えても嘘の内容とは思えませんでした。


そこで私が感じたのは、小さな声はネット小説界でもこんなにも届かないのかと言う事です。


そんな作家様達の小さな声や願い、大きな意見や願望が、少しでも通って欲しいと思い最近ではこの作品の中でも誹謗中傷コメントに、極力柔らかく言及する描写を行っています。

でも、理不尽をとことん追い詰める勇気には私にはありません。世の中色々な方がいて、色々な作家さんがいるとも思っています。そんなもんじゃないでしょうか?


話は逸れてしまいましたが、ちょっとおふざけが過ぎるこの作品に快くご了承頂いた作家様、ありがとうございました。


今回はそんな皆様の作風を振り返って、友美さんが本編を書いて動物達に感想を求め酷評されると設定で、自作品を自分で酷評する感想レビュー物語です。


今回は前回の総集編以降の作品の作者様が対象です。


一応実際に頂いたありがたいご指摘も含まれます。


それは今まで色々な方々の作品を読んで、勉強になった事を取りまとめている意味もあります。


現在も読んでいる作品あり、まだ続けて行こうとは思いますが一度自分自身整理してみました。


もしよろしければ覗いて見て下さい。



●今回の読書作品


【作者】   pusuga 様

【作品名】  私は薔薇だけどあなたは百合だよね

(小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ)

      


●今回の読書会参加者


加納友美:動物と話せる高校生。オールジャンルOK なりきりスキル発動によりどんな作品も対応可能。



(なんで私リビングで正座させられてるのかな・・・・)


今回の読書会。

総集編と言う事で、私はいつもの自分の部屋ではなく12畳のリビングで開催していましたが、私の作品を読むなり、解説役の動物達は激怒。


その他の動物達は、それぞれのポジションで私を見つめています。


ガラガラヘビではないヘビッチのガラガラ・シャー!との雄叫び、カマッチの両手のカマを上にあげ全開に広げる戦闘開始のポーズに私は正座を強要させられていました。


リビングの床で正座する、目の前のテーブルにはカメッチを中心にヘビッチ、カマッチ、ピッピ、サッチャーさんが横並びに座っています・・・・。

そしてまずカメッチが怒りの第一声を高々に挙げました。


『友美。とりあえず、指摘はあとにするからこの作品のあらすじを言いなさい』


『はい・・・。えっと、この作品は私の友達でBL同人誌が好きな美和ちゃんと、耳の聞こえない百合同人誌好き義輝君の付き合うまでの物語・・・・』


『はい?物語?聞いて呆れるわね。作文、しかも小学生の間違えじゃないの?』


『いや、一応ほんのり、ゆるっと・・・ごめんなさいでした・・』


呆れ顔のピッピから質問が・・・。


『友美ちゃん。美和ちゃんって何歳?』


『えっと・・一応私と同じ高校3年生で・・・』


『語り手が美和ちゃんの一人称だけど幼稚すぎるのよ!今時こんな高校生いる訳ないじゃない!美和ちゃんの事馬鹿にしてるの?ふざけるのもいい加減にしなさい!』


『・・・・・・』

(いや別に馬鹿にしてる訳じゃなんだけどな・・・)


絶句する様子の私を見て、次に言葉をかけてきたのはカマッチでした。


『友美ちゃん。僕はカマキリだから言葉は知らないが、あまりにお粗末な表現多くないか?』


(言葉知らないって・・・あんなに四文字熟語言ってたのに?)


『それに文脈もへったくれもない。だらだらと短文で状況だけを書き連ねているだけだな。もっと言葉を勉強した方がいいぞ。表現力が皆無と言っても過言じゃないと思う』


『・・・・・・』


『今日は沢山の動物達がこのリビングに集まっているから、友美ちゃんの作品と比較しながらコメントをしてもらおう。カマカマ!』


(カマカマって・・・カマをシャカシャカ動かしながらは、怖いから止めてくれないかな・・)


『それと一応事前のアンケートを行い、その作品が好きだと言う動物たちにコメントしてもらうからな。必ずしも、その作品で参加した動物じゃないからな』




『よーし!果てしない銀河が広がるような、とても煌びやかな読書会総集編の司会を僭越ながら務めさせて頂くとするぞ』


ヘビッチはグネグネと波打ちながらテーブルから降りて、マングースのイタッチの所に行きました。


『マングースさん。どうだい?友美ちゃんの作品は?』


『はい。友美ちゃんの作品は、紅琥珀主様の作品の様なビジュアル的な表現をあえて減らしているのとは違い、全くありません。読者さんがイメージを掴むきっかけすらあたえません。それに美和ちゃんが耳栓して出かけるシーンの緊迫さも紅琥珀主様の表現の足元にも及びません』


『・・・・・・』

(イタッチ・・・目の前にいるのあなたのトラウマのヘビだよ?ヘビに対しての恐怖よりも、私の作品への酷評の方があなたにとって大きいの?)


『それでは次にお隣の、ネーミングが危険だと指摘があったタヌキのポコッチ君。どうだったかな?』


『そうねー。ヒロコウ様の作品の様な、美しい比喩表現もないから全く風景的な景色が見えないわね。友美ちゃんの物語は展開も早いけど、退屈ね。秋津幻様の作品の様にダンジョンへ行く時のワクワク感みたいな物が全くない。ダンジョンにロボット?って言う驚きの設定も皆無でありきたりだった。変な下ネタもあるから私の子供が生きていたらまず、読ませない作品ね』


『・・・・・・』

(そんなに下ネタ露骨じゃなんだけどな・・・)


『ガラガラ!そうだろうな!それでは、次は・・・インコさんに一言お願いしようか・』


『じゃあ言わせてもらうけど、この作品読んで何も残らないわ。なんとも計り知れない読後感の歌川ピロシキ様の作品みたいに考えさせられる話の展開もないし、話の起承転結もないわ。新渡戸レオノフ様が毎日三題噺で作品を書いてるけど、どの作品も起承転結がしっかりしていたわ。しかも毎日よ?友美ちゃんの作品全9話だけど、後半の展開無理があるんじゃない?歌川ピロシキ様と新渡戸レオノフ様の作品の様に矛盾なく、しっかりと設定を考えて物語のつじつまが合う様にしなさいよ!』


『うん。わかった・・・』


『よし、じゃあ次はゆっくり過ぎるイグッチ君に聞いてみようかな?どうだい?』


『友美・・・・ちゃ・・・ん・・・の作・・・・品・・・・セン・・・スも・・・可能・・性』


『あーわかったよイグッチ。ゆっくり過ぎて朝になっちゃうから代弁するね。私の作品はゆづき。様の作品と比べるとセンスも可能性も全く感じられないって言うんだね。そうだよね?』


私のイグッチに対して投げかける言葉にカマッチは私の膝の上で怒りのカマを全開。


『友美ちゃんは失敬千万と言う言葉を知らないのか?イグアナさんがせっかくコメントをしてるのに話の腰を折る様な発言をして、自分の眼高手低振りっを棚に上げて無礼極まりないと思わないのか?シャー!!』


『あ、はい・・・』

(シャーって・・・カマッチ、あなたどこから声出してるの?)


『まあ、カマキリ君の意見はごもっとも過ぎて草は生えるぞ!』


(ヘビッチ・・・あなた最近ネット情報に詳しいけど、どうしたの?)


『じゃあ友美ちゃんの作品はラブコメだから、ラブコメ担当としての僕の意見を言わせてもらう』


『はい・・・ヘビッチ・・・お願いします』


『まずは友美ちゃんの作品、萌えを意識している様な美和ちゃんの語り口だが、先ほど言及があった様に語り手が高校生なのに幼すぎる。それに日常を描いているが、かいんでる様の作品の様にその日常表現も掘り下げることなく簡単に済ませている。かいんでる様の作品は物語の本質はここにあると言う、作品の確固たる描写があり、そういう物語としての表面上だけじゃない真の意図的なものもない』


『・・・・・・』


『それに主人公の美和ちゃんは、うり北うりこ様の作品の主人公の平安女性小夜さんの様に、心の声と現実の発言のギャップによる可愛らしさと面白さがない。そう言う工夫され、しっかり考えていらっしゃる描写も全くない!友美ちゃんの作品は表現が一辺倒なんだよ』


『た、確かにうり北うりこ様の作品の主人公は、とっても可愛いと思ったよ・・・』

(てか、美和ちゃん聞いたら大激怒すると思うんだけど・・・)


『それに、今回の総集編の作品の中でも可愛さで言うなら、小夜さんと並び三本の指に入ると思う、通りすがりの冒険者様のフランチェスカさんの様な、魅力ある個性を美和ちゃんは持っていない。ただのBL好きの幼稚で頭の足りない高校生と言われても過言ではないぞ』


(ちょっとまた・・・本当に美和ちゃん、大激怒必至だと思うからやめて・・・・)


『それにフランチェスカさんの成長物語としての作品の充実さも、友美ちゃんの作品は見習うべきではないか?』


『うん。そうだね・・・』


『まああんまり僕の発言が長くなるのは本意ではないから、次は・・・錦鯉さんに聞いてみよう』


『おう!!!友美ちゃん。今回ばかりは僕はエールを送れないぞ!よしけん様の作品の様な、しっかりと作られた世界観と文章力が全くない!こんなに信じても力が全く出ない作品は初めてだ!一度とよしけん様と連絡を取り、直接教えを乞いたらどうだい?ガハハハハ!・・ゴホ!ゴホ!ゴホン!』


(ちょっとまた酸欠・・・水面から顔出し過ぎだってば、錦ッチ・・・)


『じゃあそろそろ、司会役を亀頭さんにお願いして一度休憩としようか?』


『いいわよ。あとコメントしてない参加者は・・・・電気のウナギさん、ウサッチさん、能天気なムササビとウサギその二と・・・あら?天才ハリモグラさん、カマキリさんもまだだわよね?』


『大丈夫よ。今までのコメントしっかりと聞かせてもらって、脳に焼き付いてるから。私の出番はもう少し先でいいわよ』

(サッチャーさん・・・タッパーの冷凍のアリをモシャモシャつまみながら、しっかりって言っても全然説得力無いよ?)


『僕もすでにコメントする・・いや、しなければならない作品は決まっているからなカマカマシャー!!』

(複合はやめてね。カマッチ)


『それにまだ到着してない動物達もいるみただしね』


(え?すでにこんなに沢山いるのにまだ来るの?)


後編へ続きます。



後編も本日中に更新します。


ありがとうございました!

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