第58話 眠る君は龍の花を読んで繊細な自分にエールを送っちゃいました。

このレビュー作品は自作品のキャラ愛から来る自己満足な作品です。


自分の書いた作品が終わってキャラ達が埋もれてしまうのは寂しい・・そんな想いからなんとかならないか考えて生まれました。


同時に他作品をしっかり読む事で、自己の今後の作品の向上にも繋がるとも思います。


それに埋もれている作品達に対してのPRにもなるのではないかと考えて、それぞれ目指す物があると思いますが、投稿している作者の方々に共感と敬意を表して・・・。


褒める作品、おこがましいですが改善点を指摘する作品あるとは思いますが、ただの馴れ合い読み合いレビューではなく、良い所も悪い所も含め素直な感想でお互いの向上になれたらいいなと思います。


よろしくお願いいたします。



●今回の読書作品


【作者】  D.G.SKY 様

【作品名】  眠る君は龍の花 (小説家になろう・カクヨム)

      


●今回の読書会参加者


加納友美:動物と話せる高校生。オールジャンルOK なりきりスキル発動によりどんな作品も対応可能。

カメの亀頭カメッチ:下ネタ好きの、友美さんの家で暮らしているカメ。教育係兼監視役

ハクビシンのハクビッチ:領布版のみ登場する、どこまでもポジティブなハクビシン。

シマリスのクパちゃん:ツンデレシマリス。

ヘビのヘビッチ:中二病のヘビ。頭脳明晰。



読書会が始まる30分前の事です。


『へー。いいなあ・・・なんかこんな自分嫌だな・・・』


『どうしたの?友美』


読書会開始前、私は今回の作品の作者さんの彼氏との可愛らしい惚気ツイートを見て、少なからず嫉妬してしまっている事に自己嫌悪していました。

それをカメッチに見られて、その事について訊ねられました。


『駄目だよね私・・・彼氏さんと幸せなツイート見て嫉妬しちゃうなんて・・こんな自分が嫌だよ』


『何ふざけた事言ってんのよ友美』


『え?』


『あなたガチムチの彼が仕事中、額の汗を同僚の女性が拭き取ってるところ見て、いきなり怒り出してペンペン草、顔面に投げつけたじゃない』 


『あ、あれは・・・』


『嫉妬なんてのは当たり前の感情なの。相手を思えば思うほどその気持ちは大きくなるものよ』


『う、うん・・あれは本当に自分でもどうかしちゃったんじゃないかって・・あの時実は、彼に負担って思われちゃったのかな?』


『何馬鹿な事言ってんのよ。そんな嫉妬の塊みたいな、筋肉フェチでスキンヘッドの頭をペチペチ叩いて大満足して気持ちを落ち着かせていた、全身性感帯女の友美の事をガチムチは全て受け入れてくれたんじゃない!あなたもそれは理解したじゃない!怒るわよ!』


『あ、はい・・ごめんなさいでした・・』


『だったら嫉妬した位で負担になるだとか、くだらない事考えるのは止めなさい。とにかく彼を信じてあげなさい。それが一番彼が望んでいる事よ。それに、亡くなった彼にそんな考え方してたら失礼よ』


『うん。わかった!』

『それに今日遅れてくるヘビッチにも怒られちゃうしね』


『そうよ。あのヘビさんは中二病だけどとても優しいからね』



私の彼は事故で半年前亡くなりました。 (※本編89話)

でも、その事は色々な人たち、動物たちの励ましで立ち直り、今はこの読書会を開催出来るまでになっています。


『わかったならいいのよ。それより今回の作品なんだけど、数十年に一度咲くと言われてい花、竜舌蘭と言う花を題材、と言うかイメージした、ある事件で5年間眠り続けていた少女が覚醒する短編の物語よ』


『べ、別に私は彼が5年間眠り続けてたって全然心配なんかしないんだかね!』


『あ、クパちゃん?いつの間に来てたの?』

(てか、5年間眠り続けるって状況って、ツンデレ発揮する場面じゃなくない?)


読書会いきなりスタートです。


『グスン・・あと、全然グスン泣いてグスン・・なんか・・グスン・・ないんだからね!』


クパちゃんは嗚咽であまり言葉になっていません・・。

(クパちゃん本当に徹底してるよね?そのツンデレキャラ)


『ん?あれ?ハクビッチもいつの間にか来てたんだね!』


『シマリスさん!泣くと言うのは心のデトックス効果があってリラックスした状態になるのよ!どんどん泣きなさい。ほら!とってもいい事だわ!友美ちゃんもそう思わないかしら?』


『あ、うん・・・確かにそうだね・・・』

(ハクビッチ・・・あなた野良ハクビシンでしょ?どこでそんな知識覚えたの?)


『友美。この作品に関してなんだけど、少し細かく解説していいかしら?』


『うん。いいよ!カメッチ!』


『この作品全体的に叙事詩を読んでいる様な感覚になれる作品ね。様々な比喩表現を用いたり、韻文と言って主に詩の様に一定のリズムでその世界観が表現されている。そんな印象を受けたわ』


『そうだね!』


『べ、べつに伏間葉山小屋爆破殺人事件と架空の名称を用いる事で、読者にその主人公の境遇をさらに印象付ける手法が見事だわ・・なんて思ってないんだからね!』


『・・・・・』

(クパちゃん・・そこまで具体的に言ってるんなら素直に褒めたらどう?)


『詩を読むと言う行為は、誰しも持ってる自分のロマンチックな心を意識づけさせてくれるのよ!ほら!とってもいい事だわ!』


『そ、そうだね!』

(ハクビッチ。今日は珍しく理にかなってるね。強引なポジティブじゃないね)


『今シマリスさんが言ったのももちろんだけど、この作品が特に優れているのは短編と言う限られた文字数の中で読者を一瞬で引き込む・・と言うか引き込まれると言う表現力ね。冒頭の鯨のような深い夢を見たと言うのもその一例ね』


『確かにそうだね!なんか急に鏡から手が出てきて引きずりこまれる感じがしたよ』


そしてシマリスのクパちゃんは、嗚咽からようやく落ち着き、夜食のイチゴを両手で持ちながら口の周りを赤く染めて話しに入って来ました。


『ねえ?どうしてやっと覚醒したのにすぐに眠らなきゃいけないの?』


『え?どうしたの?クパちゃん?!』


『だって・・・だって・・・お別れは嫌なの・・・グスン』


私は驚きのあまり新スキル【びっくり仰天友美ちゃん】を自然発動。


(嘘でしょ?・・・私の周りの動物の中で一番キャラがぶれないあのクパちゃんが素直になってる・・・その位、この作品が影響を与えたって事?)


『シマリスさん!たとえお別れしたとしても、その瞬間新たな出会いと言う可能性が生まれるのよ!ほら!とってもいい事だわ!』


『ハクビッチ・・・それは・・・』


私は根拠のないポジティブ発言のハクビッチの言葉に、死と言う物の現実的衝撃をハクビッチが無下にしたんじゃないかと思い、ハクビッチに怒りの目線を向けてしまいました。


『ハクビッチだって、私の彼が亡くなったの知ってるじゃん!それなのに適当な事言わないでよ!!』


『・・・・・・』


私の珍しい急な豹変ぶりに、さすがのカメッチ、クパちゃんも静まり返ってしまいました。


『わかったわ。友美ちゃん!でも私はシマリスさんに言った事後悔してないわ。後悔しないと言う事は心に傷は負わないわ。ほら!とってもいい事だわ・・・』


そう言うとハクビッチはベランダから近くの木に飛び移り、私の部屋から去って行きました。


『・・・・・・』


そして、怒りとも後悔とも取れるよくわからない気持ちで、肩を震わせながら立ち尽くす私にカメッチが口を開きました。


『友美。あれはまずいんじゃない?』


『でも・・・だって・・なんか死と言う物をチャカされた様な気がしたんだもん』


『友美の気持ちもわかるわ。でも、前にも言ったけど動物と人間の価値観は違うのよ。あのハクビシンは、自分の価値観の中で発言しただけの事よ。それを人間の・・しかも動物の心の医者を目指すあなたがいきなり自分の価値観を押し付けて、怒りちらすのはどうかと思うわよ』


『だって・・・私の彼が亡くなった時の事思い出しちゃったんだもん・・・』


『遅れてすまない。夜の帳が情緒に満ち溢れすぎてついつい、悠久の時を彷徨い続けて遅れてしまったよ』


そこには、遅れて来たヘビッチの姿がありました。


『今、一部始終をベランダから見ていたけど、亀頭さんの言う通りだ』


『え?ヘビッチも?』


『あのハクビシンさんはずっと野良で五年以上生きてるんだ。しかも一人で。人間からは畑を食い荒らす害獣扱いで何度も、捕まりそうになりながらだ。それでもあんなにポジティブでいられるのは何か訳があるに違いないぞ。そう言った事も何も知ろうともしないで、心の医者を目指している君が表面上の言葉だけで判断して感情をぶつけるのおかしいと思わないか?』


『うん・・・でも・・・』


『いいから、追いかけなさいよ友美!』


『・・・・・でも・・急に怒っちゃって・・・』


『細かい事グチグチうるさいわね!本気で怒るわよ!!』

『ガラガラ!!シャーーーーッ!!』


『わ、わかったよ・・・』

(ちょっと・・・ヘビッチ本当に怖いんだけど・・それと前にも思ったけど、あなたガラガラヘビじゃないよね?)


私はハクビッチが以前住んでいた空き家を追い出されて、引っ越したと言う林の木の近くまでやって来ました。


『ハクビッチー!!ごめんね!どこにいるの?』


そして草むらから、ハクビッチがいつもと変わらぬ笑顔で出てきました。


『友美ちゃん。ここにいるわよ。さっき別れたけどまた会えたわね。ほら!とってもいい事あったわ』


『ハクビッチ・・・急に怒りだしてごめんね・・・』


『私ね。小さい時は父と母と兄が3匹、姉が2匹で空き家の天井で暮らしていたの』


『うん』


『でもね。駆除用の毒入りの餌を私以外のみんなが食べて死んじゃったの』


『え?』


『その時はいい事探せなかったわ。今日は父、明日は兄、明後日は姉、ちょうど一週間でみんな・・・・』


『もういいよ!!ハクビッチ!ごめんね。辛い事思い出させて・・・』


『でもみんな死ぬ間際私に、同じ言葉を残してくれたの。あなたは必ず生き続けなさいってね』


『・・・・・・』


『だから、私何があってもいい事探して家族の為に生き続けようって思う事にしたの』


『うん』


『でも生きるのには食べなきゃ駄目でしょ?でも必死で・・・だから畑で・・・それで害獣扱いなのも自業自得ね』


『ハクビッチ・・・・』


『でもこうやって生きてる。友美ちゃんと出会って引っ越しも出来て、おまけに読書会にも参加させてもらって。ね。いい事だと思わない?』


『うん!』


『だから私は何でもポジティブに考える事にしたの。そうすれば辛い事があってもいい事なんだって考えが見つかった時とっても幸せなの!』


『うん・・・・』


私はハクビッチの両脇を持ち抱きしめました。


『ごめんね。ハクビッチ。私何にも知らなくて・・・ごめんね・・』


『あら?泣いてるの?じゃあ心のデトックス出来たわね。いい事だわ!』


私は家族の壮絶な死を間のあたりにしながらも、どこまでもポジティブなハクビッチにさっきの怒りは全て無くなりました。


『ところで友美ちゃん。せっかくの素晴らしい作品の読書会だから私も感想いいかしら?』


『あ、うん!いいよ!』


『この作品、とても沢山の方に評価されてる素晴らしい作品だわ』


『そうだね!私と同じ高校生の処女作とは思えないね!』


『そうね。後作者さんも気にされてるのかしら?人称の交差だけど、別にいいんじゃないかしら?それを余りある表現力でカバーしているのだから。自由に書くと言う事が私は大事だと思うから。ほら!こういう型に囚われない、これもネット小説のいい事だわ!』


『そうだね。ってこのコメントの人、別作品でヘビッチが怒ってた人だよね?まただね・・』


『まあ世の中には色々な人いるからね。ブロック機能活用したんでしょ?でもだから生きてるって感じ!ほら!とってもいい事だわ!』


『うん!SNSから他サイトまで、何から何までブロック機能活用したよ!』


その後私とハクビッチは部屋に戻りました。

そして部屋では三人で言い争っていました・・・。


『べ、別にこの作品を持ち帰るなんて言ってないんだからね!』


(クパちゃん・・・・復活してる)


『とにかく僕はこのタイトルの深い意味に感動したんだ!シャー!』


(ヘビッチ・・・・またシャーって・・)


『それもあるけど、このありがとうの、りとがが、くっついているさりげない表現も見逃せないわ!』


(どうしたの?カメッチ?)


そしてハクビッチは私に小声で話しかけてきました。


『ほら!喧嘩するって言うのは、これからますます仲良くなれるって事じゃない?ほら!とってもいい事だわ!』


『そうだね!フフフ』


私はハクビッチの言葉に激しく同意し、三人の間に入って朝までこの作品について話し合っていました。



作者 D.G.SKY 様

今回はご了承有難うございました。


今回の作品へはこちらからどうぞ!

https://ncode.syosetu.com/n9547hw/ (小説家になろう)

https://kakuyomu.jp/works/16817139556719635122 (カクヨム)








作家様各位

読ませて頂き、レビュー・感想物語を書かせて頂ける作品あればメッセージ下さい!

よろしくお願い致します!

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