第54話 一休ちゃんは今日も毒舌を読んで屏風の中の虎を追い出そうとしちゃいました。

このレビュー作品は自作品のキャラ愛から来る自己満足な作品です。


自分の書いた作品が終わってキャラ達が埋もれてしまうのは寂しい・・そんな想いからなんとかならないか考えて生まれました。


同時に他作品をしっかり読む事で、自己の今後の作品の向上にも繋がるとも思います。


それに埋もれている作品達に対してのPRにもなるのではないかと考えて、それぞれ目指す物があると思いますが、投稿している作者の方々に共感と敬意を表して・・・。


褒める作品、おこがましいですが改善点を指摘する作品あるとは思いますが、ただの馴れ合い読み合いレビューではなく、良い所も悪い所も含め素直な感想でお互いの向上になれたらいいなと思います。


よろしくお願いいたします。


●今回の読書作品


【作者】  紅琥珀主 様

【作品名】 一休ちゃんは今日も毒舌 (カクヨム)

      


●今回の読書会参加者


加納友美:動物と話せる高校生。オールジャンルOK なりきりスキル発動によりどんな作品も対応可能。

ハリモグラのサッチャーさん:叔父さんが園長をしている動物園に住んでいた天才ハリモグラ。本編では人間とのオセロ対決を行った後静かに息を引取る。大好物は解凍した冷凍のアリ。解説役

インコのピッピ:友美さんの家で暮らすコンプライアンス重視の真面目なインコ。解説役。

錦鯉の錦ッチ:隣の家の池で暮らす、熱血教師な錦鯉。解説役。



(はあ・・はあ・・はあ・・・ちょっと遅くなっちゃった・・みんな待ってるよね)


私は今回読書会に参加するサッチャーさんの為に、動物園から冷凍のアリをタッパーになみなみ入れた物を貰い、途中【この橋わたるべからず】とイタズラで書いてある立て看板に対して、機転を利かせ橋の真ん中を走り自宅に戻りました。


ガチャ


『ごめんね!遅くなって!』


『友美ちゃん。お手をわずらわせてごめんなさいね』


『大丈夫だよ!丁度叔父さんに用事あったから。気にしないでサッチャーさん!』


『あら。そう。一応、今回の読書会は私達の作品の中でも知的なメンバーを集めたそうよ。まあ友美ちゃんを除いてだけど』


『・・・・・・』

(サッチャーさん・・・あなた全然感謝してないでしょ?)


サッチャーさんは、私が持って来たアリが積まったタッパーを渡すと、モシャモシャと5、6匹づつ摘みながら食べ始めました。


『早速いいかな?友美君!』


『あ!錦ッチ!・・・水槽狭くない?』


『おう!問題ないぞ。・・・まずは僕がこの作品のあらすじを紹介しよう!』


錦ッチはいつもの様に水面から頭を出し、口をパクパクさせながら話しています。


『この作品は、知的で毒舌な美少女一休ちゃんが、猫又のパートナーキャラのダンポと妖術の様な物を駆使しながら旅をする、和風異世界ファンタジーだぞ。おい!』


『そうだね!ところで猫又ってなに?猫・・だよね?』


私の質問に対してサッチャーさんが割り込んで来ました。


『何?あなた猫又も知らないの?それともふざけてんの?』


『え?』

(別にふざけてるわけじゃないんだけど・・)


『私以前ネットで調べたのだけど、猫又と言うのは日本の古い書物に登場する、猫の姿をした妖怪の事よ。完全に猫型や人の姿をして頭の部分が猫だけとか、その姿は作品により様々ね。例えば有名な随筆の徒然草や藤原定家による明月記、怪談集の曽呂利物語など様々な作品に記載があるわ。尻尾が複数あると言うのも外見的特徴かしら。あなたこないだ成績学年一位になったって自慢してたけど、猫又も知らないくせにふざけた事言うのはやめなさい』


サッチャーさんは背中の針を全開に逆立たせ始めました。


『あ・・はい・・・・・』

(怖いよ・・・・てかあなた動物園にいたんでしょ?・・・ネットなんか使えなくない?)


『情けないわね。友美ちゃん。私からまず感想お話していいかしら?』


『あ、ピッピ。もう読み終えたんだね。いいよ』


ここまで沈黙を破っていたインコのピッピは、止まり木で右の羽を毛づくろいしながら話し始めました。


『この作品、有名キャラをモチーフにしてる作品である事とあらすじの昔話風の表記から、やはりほのぼのとした問題解決ストーリーを想像して読み始めたの。でも全然違ったわ。もちろん問題は一休ちゃんの並外れた洞察力や妖術を駆使して解決して行くんだけど、戦闘描写もあってスリリングな作品にも仕上がっているわ』


『そうだね!有名な一休さんはとんちにかけては完全無欠なチート感があったけど、一休ちゃんは違うから、親近感が沸いちゃった!』


『そうね。あとは美少女であるビジュアル的描写も最初だけでほとんど無いけど、それが逆に私はミステリアスで色々想像して楽しめたわ。あえてそう言う描写を簡略化するのは、この作品の作風にあっていると思うわ。物語の本質にとって、美少女と言うのはオマケ的だと思うから私は必要ないと思う。だって一休ちゃんの一番の魅力は外見的な事だけじゃないからね。何も魅力が無い友美と違ってね』


『う、うん・・・・・』


『そうなんだ!有名な一休さんのイメージがあるから、過度な描写でそこを壊す必要はないと思うぞ!実際、一休ちゃんと一休さんはうまく融合していると思うぞ。わかるか?アホ毛の友美君!』


『・・・・・・』

(錦ッチ・・・私の後付けビジュアル晒す必要なくない?)


※友美さんのビジュアルに関してはなろうとノベルアップの作品【文学フリマへの道】、カクヨムの近況ノート、ツイート参照


『錦ッチ。わかったから、落ち着いてね?』


私は水面から顔を出しすぎて、酸欠状態になった事のある錦ッチをなだめました。


『私も錦鯉さんの意見に賛成ね。ビジュアル的な事が気になるなら、作者さんのSNSを見ればいいじゃない。ちゃんとその部分補完してくれているんだから。和風の世界観も同様だと思うわ。作品自体が、別にそこの部分の描写が少ない訳ではないけど、過度な描写もないからテンポも丁度よく話が進むわ。よく他人の作品に対して描写が足りない多すぎる・・だとか言うのが決まり文句の商業やそうではない作家さんいるけど、私はその作品の作風、登場人物、世界観、状況に合致していればいいと思うわ。それも手法の一つと思う事にしてる。その中でわかりにくい描写や矛盾している描写があれば指摘してあげればいいだけの事よ。わかったかしら?成績がいいだけのアホの子友美ちゃん』


『・・・・・・』

(みんな・・・なにも一休ちゃんに合わせてちょいちょい毒吐く事なくない?)


『あとはこの作品の魅力の一つでも猫又君との掛け合いだ!わかるな?友美君!』


『うん!それも面白いよね!』


『掛け合いもそうだけど、私はこの作品の問題解決の内容、どんどん面白くなる気がするわ』


『ピッピもそう思うんだね!一休ちゃんもどんどん魅力的になってきてるから!』


『でも私アリ好きだからアーリンさんのキャラ大好きだわ』


『・・・・・・』


私はお久し振りの、なげやりセリフ棒読みスキル【棒姫】を発動。

(サッチャーさん。駄目だよ。アリはアリでもアーリンさんは人型だよ。貴方の食べ物じゃないよ)



サッチャーさんはタッパーのアリを一粒残らず完食していました。


『じゃあ最後に一休さんにちなんで、私が知ってるとんちの話の中で高校生の方でもわかる、問題一つ出すわね』


『あ、うん。いいよ・・・』

(またか・・・)


『バンドマンの彼氏が浮気をしてるんじゃないかと彼女は思いました』


『うん』


『そして、彼女はライブハウスの楽屋で彼の携帯をこっそり見ようとしました』


『う、うん』


『でも何故かノリノリになりました。どうしてでしょう?』


『え?・・・・浮気の証拠があってびっくりしたとか?』


『ブッブー!答えはロックがかかっていたからよ!』


『・・・・・・ちょっとそれ強引じゃない?』


『何を言ってるの?あなたは相変わらず説明しないとわからないのね』


『どういう事?』


『私はまず、彼氏がバンドマンだとわざわざ指定してあげたわ。そこに音楽と言うヒントがあるのは明確じゃない?本来別に彼が浮気してるかもしれないと彼女は疑った・・だけでいいのにヒントの情報まで提供してあげたわ。それに楽屋と言う場所。これも大きなヒントよ。同棲していて部屋にいるならともかく、不特定多数の人が出入りする可能性がある、楽屋と言う場所に携帯を置くんだからロックする人のが多いんじゃないかしら?そう言った一言一句の言葉の意味を考えずに、相変わらず脳天気にマイナス思考で浮気の証拠が見つかったと言った。私の言ってる事間違ってるかしら?』


『いや・・・間違ってないけど・・・』


『だったら口ごたえなんかするんじゃなくて、自分の低脳を受け入れなさい』


『・・・・・・』

(やっぱ私って馬鹿なのかな・・・)


『そうよ。ハリモグラさんの言う通りよ。あなたは普段から、いちいち重箱の隅を突っ込んでくるよな発言や心情ばかりじゃない!いい加減にしないと本気で怒るわよ』


ピッピもサッチャーさんの意見に同調して、鳥かごの内側から側面にへばりつき怒りを露にしています・・・。


『そうだな。君のそのマイナス思考と思った事を口に出せない性格は、この作品の一休ちゃんを見習わなきゃ駄目だと思うぞ!わかるか?おい!』


『とにかく友美ちゃんはあと三回くらい、この作品を読む必要があるわね』


『・・・・・・』

(え?三回も?)


私はこの後も、サッチャーさん、ピッピ、錦ッチに毒を浴びせ続けられてしまいました。


しかし、この作品の魅力ある一休ちゃんに憧れを抱いた事は否めない事実で、心で号泣しながら読書会の夜は更けていきました。



作者 紅琥珀主 様

今回はご了承有難うございました。


今回の作品へはこちらからどうぞ!

https://kakuyomu.jp/works/16817139556946170086 (カクヨム)






作家様各位

読ませて頂き、レビュー・感想物語を書かせて頂ける作品あればメッセージ下さい!

よろしくお願い致します!

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