第6話 監視対象のお嬢様にうっかり恋をしたら、高嶺の花すぎた――けど、あきらめたくないので、テッペン目指そうと思います。を読んで雇用契約しちゃいました。

●今回の読書作品

【作者】  糀野アオ様

【作品名】 監視対象のお嬢様にうっかり恋をしたら、高嶺の花すぎた――けど、あきらめたくないので、テッペン目指そうと思います。

(小説家になろうオンリー掲載)



●今回の読書会参加者


加納友美:オールジャンルOK なりきりスキル発動によりどんな作品も対応可能。

ハリモグラのサッチャーさん:動物界随一の天才 まとめ解説役 本編では人間とのオセロ勝負で神の一手を指しきれずも安らかな最期を迎える。

ハリネズミのハリタンとヤマアラシのブラックホール:モルモットとの三角関係の為、仲が非常に悪い。





ドドーン!


今私は読書会が行われる自室で、ハリネズミのハリタンとヤマアラシのブラックホールと対峙しています・・て言うか一方的に二人とも全身のハリを最高潮に逆立たせて睨まれています。


『友美ちゃん!あの時はよくも私の恋を邪魔してくれたわね!』

『そうよ!さっさと謝らないと、ハリでチクチクしちゃうわよ』


『・・・・・・』

(めんどくさいけど、順番に突っ込むね)

(だから・・あの時の私は何一つ悪くないんですけど・・・無実の罪だよ・・)

(チクチクって・・・本当にヤマアラシのハリはシャレにならないんだけどな・・・)


私は以前、この二人に誰が聞いても100%の逆恨みをされ、その後も二人の事は目も合わせないガン無視を決め込んでいました。


『まあいいわ。とりあえず読書会に参加させてもらって楽しい作品を読ませてくれたからチャラにしましょう』

『そうね。友美ちゃんを責めても仕方ないしね』


『・・・・・』

(本当に私何も悪くないんだけどな・・・)


『こんばんわ』


『あ!サッチャーさん!久し振りだね』

(多分サッチャーさんもこの日の為に死後の世界から来てくれたんだね・・)


『そうね。あのオセロ勝負以来だわ。それはそうとあなた少しは頭良くなった?』


『え?・・・うん。一応獣医目指して一生懸命勉強して学年一番も取ったよ!』


『そう。なら少し試していい?』


『あ、うん。(自慢なんかしなきゃよかった・・・)』


『それじゃいくわよ。木の上に鳥が5羽いるわ』


『うん』


『猟師が鉄砲で一羽を撃ち落としたわ』


『うん・・・』


『じゃあ残りは何羽かしら?』


『え?五羽いて、一羽撃ち落したから4羽残るんじゃないの?』


『ブッブー!残りは0よ。鉄砲で撃ったんだから銃声で残りの四羽は逃げ出すに決まってるじゃない』


『・・・・・・』

『なんかいじわるクイズじゃない?』


『私はわざわざ猟師と言う特別な職業を指定したわ。それに鉄砲とも言ったわ。そう言う限定的な情報の世界の中なのにも関わらず、あなたは相変わらず、何も考えずに五から一引いて四と答えたわ。私の言ってること間違ってるかしら』


『間違ってないけど・・・』


『でも、この作品は王道ラブコメと言う限定世界の枠を超越していたわ』


(え?いきなり?読書会始まってたの?)


『私も最初は主人公が、高嶺の花と言うとっても美人で学園の誰しもが憧れるお嬢様とのラブコメを想像していたわ。でも実際は違った。確かに最初の方は王道っぽく進んで行くのよ。小悪魔的な妹の薫子ちゃんも登場して、ニヤニヤしていたわ』


『そうだね。主人公が上流階級学校に入学して、身分をわきまえろ!って周りから嫌がらせを受けていたのを見てヒロインの桜子ちゃんが助けたもんね。正義感強くて素敵な女の子だなって思ったよ』


『でも、私は先を読んでいくうちに全然読めないストーリーと子悪魔程度だった薫子ちゃんに段々得たいの知れない恐怖を感じたわ。【了解】とだけ返信がある依頼人のイトコもね』


『うん。そうだ・・・あれ?』


熱弁するサッチャーさんの横をふと見ると、ハリタンとブラックホールが言い争いをしていました。


『あなた!この作品は妹の薫子ちゃんと主人公が最後は付き合う話だって嘘ついたでしょ!!まだ終わってないじゃない!』

『私そんな事言ってないわよ!逆壁ドンに萌えたって言っただけよ。ラブコメなのに先が読めない出来事がドンドン起こるからって自分で勝手に解釈しただけじゃない?これだからタワシみたいなハリのネズミは嫌ね』


『あなたこそ、無駄にでかい図体して、ハリも無駄に硬いし!子供作るとき相手に怪我させたらどうすんのよ!あなたと子作りする人は全員呪いでもかけているつもりなの!』

『ちょ・・!あなたこそ自分が貧相なハリだからって私にやきもち焼いてるんでしょ?ふざけた事いわないで!』


二人とも相変わらずハリを全開に逆立たせて、動物の言葉がわかる私でさえも通訳不可能な奇声を上げてギャンギャン怒鳴っています・・・。


『あのさ・・二人とも・・・ハリにはそれぞれ役割があるんだから、見た目を揶揄するのはやめようよ?』


『は?友美ちゃん、いちいち私達に構わないで!じゃあ聞くけど彼氏が背中に無駄に長くて太いハリ背負ってきたらちゃんと子作り出来ないでしょ?』

『私からもいい?友美ちゃん、あなたあの刺激の少なそうなハリ見て興奮出来る?』


『・・・・・・』

(いや、私の興奮対象はハリじゃないんだけどな・・・)


困惑する私と言い争いを続ける二人を他所に、サッチャーさんは私が動物園から持ってきたアリをモグモグと摘みながら話を続けます。


『今話しに出たけど、ヒロインの子に掛けられた呪いって言うのも、最初はただの思い込みでネタなのかと思っていたけど、その呪いに関して本気で調査して・・・ネタバレになるから言わないけどその呪いをきっかけに色々な事がわかって物語の重要なカギになっているの』


『うん。呪いって現実的じゃないホラー的な感じだけど、すごくうまく物語りに混ぜ込んでいるよね?』


『あら友美ちゃん?めずらしく知的なコメントじゃない?』


私はすかさず、スキル【友美が恋に落ちたので証明してみた】を緊急発動。


『そうだよ!私だって本当に最近たくさん勉強してるんだよ!数学もトップ取ったし獣医目指してるんだもん』


『へーそうなのね。でもあなた最初の問題間違えたのを見ても判るけど応用力がないわ』


『・・・・・・』

(そうなのかな・・・)


(あ、まだ言い争ってる・・・)


『だから!この作品を一言で言うなら先の見えない王道であって王道でないラブコメ!って言ってるじゃない!』

『違うわよ!現代を舞台にちょこっと得体の知れない怖さがエッセンスされたラブコメドラマ!の方がしっくりくるじゃない!』


(この二人本当に仲がいいね・・・全然一言で言い表してないじゃん。気にいってくれたんだね!)


『でも二人の言ってる事全部間違ってないと思うわよ。なんか個人的に思うんだけど、予想できないストーリーはなんでもあり感がとても出ているわ。でもハチャメチャじゃないのよ。その、なんでもありがストーリーを破綻させずにきちんとまとまっているの。作者さんの作風なのかも知れないけどね』


『うん。良い意味で期待を裏切ってくれるよね。私まだ途中までだからもう少し読むね』


私は、言い争いをしている二人の言葉を心地よい風に脳内変換してこの作品を、明日にはお別れしなければならないサッチャーさんと一緒に楽しく読み続けていました。


作者 糀野アオ様

この度はご了承有難うございました。


今回の作品へはこちらから

https://ncode.syosetu.com/n7997hn/  (小説家になろう)



作家様各位

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