窓の外ではいつの間にか雨が降り始めていた。

 その雨はだんだんと勢いを増していき、今では窓の外の風景をよく見ることができなくなった。

 きらりはテーブルの上にあるオレンジジュースの入ったコップを見つめる。

 からん、と氷の音がした。

 見ると、三つ葉がゆっくりと自分の注文したアイスコーヒーの入ったコップの中を長いストローを使って、ゆっくりとかき混ぜていた。

「君は強い子だよ。きらりちゃん」と亡くなったお姉ちゃんの話を三つ葉にしたとき、きらりのことをぎゅっと抱きしめて三つ葉はいった。

 その瞬間。まるで呪いもで溶けたかのようにして、きらりの止まっていた時間は動き始めた。

 本当にお姉ちゃんがまだ生きていて、お姉ちゃんからそう言ってもらえたような気がした。

「私って、そんなにきらりちゃんのお姉ちゃんに雰囲気が似ているの?」

 ときらりの亡くなったお姉ちゃんに三つ葉さんがとてもよく似ている、という話をしたときに三つ葉は言った。

「はい。本当によく似ています」

 と少し照れながら、きらりは言った。

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