第47話

 朝起きると、お父さんとおじさんが帰ってきていた。昨日の遅くにかえったそうだ。


 朝ごはんを食べると、話し合いが行われた。


「昨日、セバスが来てね、私たちにエルフの国に行って、リアとアルを、エドワードに会わせて欲しいって言うのよ。」


 昨日の執事さんがセバス、話に出てきた若様がエドワードというらしい。


「何のために?」


 お父さんが聞く。


「リアたちが、魔法学園に通うとしたら一つ上の先輩になるし、エドワードがエルフの子を妻にしたいので、その時に一緒に来て欲しいそうよ。」

「そんなの魔法使いばかりのパーティになるだろ。」

「エドワードもダブルスキラーだからいいんじゃない?エルフの子はアーチャーだそうよ。」

「そっか。それにしても決めるの早くないか?」

「まだ、候補よ。ただの顔合わせ。とりあえず知り合っておいて、学園に入ってから交流して本当に一緒に行くか考えるってことらしいわ。」


「ウィルはどう思う?」


 お父さんがおじさんを愛称で呼んだ。


「エドワードがどんな子か知らないからなんとも言えないが、利用されるのは良くないと思うな。」

「そうだな。いくら一緒に行ける人が限られてるとはいえうちの子たちが行く理由はないからな。」

「そうよね。でも、会いもしないのに断ってしまうのは昔協力してもらった手前ね…」

「そうだよなあ。」


 話を聞く限り、エドワードの周りの人たちに借りがあるようだ。ああでもない。こうでもないと話し合っている。

 テンの方を見ると、レンのお腹のあたりにくっついてくつろいでいる。


 わたしも混ざりたい。


「父さん、俺、エルフの国に行ってみたい。」

「わたしも。エドワードって人が嫌な子だったら仲良くしなくてもいいんでしょ?」


「ええ。その場合は性格が合わないのでって言えばいけるわ。」


「会わないのは困るんだよね。」

「ええ。」

「それならエルフの国の観光に行って、ついでにエドワード君に会って家に帰ったら良くない?」

「あなたたちがいいなら、それでいいんだけど…」

「いいよ。」

「俺も。」

「そう。なら行くことにしましょうか。」


 話し合いは終わった。

 昼頃に執事さんが返事を聞きに来た。行くけれど、気が合わなかったら協力はできないということを念押しして、一筆書かせていた。明日はさっそく出発だ。転移陣のあるダンジョンに行きエルフの国に行く。今日は少し運動してあとはゆっくりすることにした。


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