第45話
ジョギングから帰ってくるとアルが起きてご飯を食べていた。
その間にシャワーを浴びて、いつも背負っているリュックを取りに行く。リュックの中にはテンとレンが集めてくれた素材が山盛りだ。
「リア、待たせたな。」
「んーん。ジョギングしたかったから大丈夫だよ。」
「きゃん!」
アルもリュックを取りに行った。
私たちはダイニングテーブルに腰掛ける。
お母さんがまず見本を見せてくれた。
「まず、錬金窯のバングルを触って、適当な窯を思い浮かべるだけよ。」
私とアルは左手のバングルに手を振れる。
テンもわたしのカバンについた輪っかに手を触れた。
わたしの目の前にはお母さんがよく使っているのと同じ形の窯が現れた。
アルのも似たような形だ。テンの目の前にはいつもご飯を食べてるお皿のようなものが現れた。
「ん?テン、これもできたの?」
「きゃん!」
「ということは、魔物でも祠の石をさわればその能力が手に入るということね。仮説ができたわ。よし!次もバンバン触ってらっしゃい!」
「きゃん!」
テンが気合を入れて返事をしている。お母さんは研究家としての血が騒ぐようだ。
「レンでもできるのかしら?」
「お母さん、そもそもレンは魔法使いの使い魔じゃないから魔法使いの祠に入れないんじゃないの?」
「あーそうか。サンプルが欲しい。今わかっているのはテンが魔法使いの祠の石に触ると能力が増えるということね。」
「そうだね。」
「どこかに魔物つかいと魔法使いのダブルスキラーいないかしら。」
「会ったことあるの?」
わたしと同じだ。少しワクワクしながら聞くと
「ないわよ。魔物つかいは閉鎖的な一族だもの。」
「そっか。」
残念だ。いたら仲良くしたかったのに。
「じゃあ論文の筋ができたら話を聞かせてもらうということで、錬金始めましょうか。」
「うん!」
「おう。」
「あなたたちはまた窯を手に入れただけなので大したことはできません。できるのは素材同士を錬金して手に入れた素材の質を上げることだけです。といっても素材の質が上がれば買取価格が上がるので手に入れられる報酬も上がるのでいいことだらけです。ただ素材の質を上げすぎると失敗することもあるので自分の実力に見合ったそこそこでやめておくのが無難です。最初はこの小さな素材同士を錬金して回数をこなして錬金のレベルを上げましょう。」
「はーい。」
「まず、このカマキリモンスターの素材を二つ入れます。カマキリモンスターの素材は木属性なので、木属性の魔力をこめてください。やってみて。」
私たちはそこから黙々と素材の錬金を始めた。
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