第44話

「ただいま」

「おかえり」


 ふらふらになって宿にたどり着くと、今日も宿にはお母さんだけみたいだ。テンはもうすでにウェストポーチの中で寝ている。


「どうだった?」

「手に入れたよー。でもすごく疲れた。」

「そうでしょう。あの祠簡単なんだけど最後に魔力が足りなくて手に入れられなかったとかなりがちなのよね。2人とも体鍛えててよかったわね。」


 なんでひどい祠だ。


「でも本当にギリギリだよ。」

「あなたたちでギリギリだったら同年代の子はみんな無理でしょうね。」

「ははは」

「まあ、とりあえず夕飯まで寝たらどうかしら?」

「そうする。」


 私たちはそれぞれ自分の部屋へ向かった。


 部屋に入るとテンをカバンから取り出す。眠そうにテンが瞬きをしている。眉間のふわふわを撫でているとまた寝た。

 さあ、わたしも寝ようと。浄化の魔法をテンと自分にかけてテンを抱きしめて布団に入った。



 目が覚めると朝だった。まだ体がだるい。昨日は疲れたなあと思いながら、まだ寝ているテンを抱き上げてリビングへ向かう。

 ふわふわとした毛並みを撫でながらリビングへ向かうと朝食が用意されたいた。お父さんとおじさんは今日もどっかのダンジョンで荒稼ぎをしているのだろう。


「おはよう。リア。アルはさっき起きてご飯を食べてまた寝たわよ。」

「おはよう。そうなんだ。わたしもお昼ぐらいまではぼーっとする。」

「そうしなさい。」

「うん。」


 わたしはテンの朝ごはんを作りに台所へ行く。そして、テンを起こした。

「テン、一回起きて朝ごはん食べて。」

「きゅう…」


 とても眠そうだ。それでも頑張って少しずつ食べ始めた。いつもの勢いは全くない。


「いただきます。」


 わたしもあまり食欲はない。昨日ほど魔力を使ったのは初めてだったからかな。体が本当にだる重い。

 朝ごはんをなんとか食べ終わったあと、テンが食べ終わるのを待って、食休みを取った後、もう一度寝ることにする。すでにうとうとしてるテンを連れてもう一度寝た。



 次に起きたのはお昼頃だった。やっとスッキリ目覚めることができた。


「きゃん!」


 テンも元気になったようだ。お腹も空いている。何か食べよう。


 お昼ご飯を食べた後は昨日手に入れた錬金窯を出してみることにした。


「お母さん、錬金窯の使い方教えて。」

「いいわよ。もうすぐアルも起きるだろうから、それからにしたら?」

「あ、そうだね。じゃあ走ってくるよ。」

「ええ。いってらっしゃい。」

「行ってきます。テン、行こ!」

「きゃん!」


 私たちは軽くジョギングへ向かった。





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