第42話
休憩後は2階へ行く。2階は大きな池だった。
池の端には金属の板が何枚かある。それぞれ1人が乗れるぐらいの大きさだ。
空中には突起が多く、飛行魔法でいくのも難しそうだ。
「ねぇ、アル、これって金魔法使って移動しろってことかな?」
「俺もそう思ってた。」
「うー。金魔法、真剣使う時ぐらいしか使わないのに。」
「あ!リアの剣なんか硬いなって思ってたんだよ!!」
「あれ?気付いてなかったの?」
「まさかそんな使い方してると思わないだろ。」
「魔法の使い方は自由自在ですよ。」
あははと笑った。
「じゃあ行くか。」
「うん。アル大丈夫?」
「おれ、むしろ金のが風とか炎より使いやすいから。」
「え、そうなの?」
「うん。じゃあ行くか。」
「うん。テン、おいで。」
「きゃん!」
私はテンを呼び、ウェストポーチに入れた。
「えい!」
思いっきり魔力を注ぎ込む。わたしは金属を硬くするのは得意だが、伸ばしたり形を変えたりの微調整は苦手だ。
足元の金属の板がぐぃーーんと伸びる。それに合わせてわたしは走り出した。
「え、リア、雑すぎだろ。」
アルの呆れた声が聞こえるが構ってられない。一気に向こう岸まで駆け抜けるのだ。
そろそろ疲れてきたなと思うころやっと辿り着いた。
「はあーー!!」
わたしは地面に座り込む。テンがウェストポーチから滑り出てわたしの顔を舐めてくれた。
「きゃん」
「大丈夫だよ。ありがとう」
テンを抱き上げ、腰掛けられる岩に移動し座る。ここでアルが到着するまで休憩しよう。
しばらく、テンのふわふわの体毛に顔を埋めて休憩していると呆れた顔のアルが到着した。
「リア、落ちなくてよかったな。」
「落ちないように全力で走ったもん。」
「きゃん」
「ねー!」
テンが速くてかっこよかったとほめてくれる。可愛いなあ。
「俺も休憩していい?これはちょっと疲れた。」
「いいよ。この祠の難易度は飛行魔法と一緒だから次の階で錬金窯が手に入ると思うし。」
「錬金窯、手に入れるのに魔力必要って言ってたけど聞いてた?」
「え?」「きゃん」
「え、テンは聞いてたの?」
「きゃん!」
わたしがテンを見てぼーっとしてた時かな?
「じゃあもっと回復してから行こう。」
「助かる。」
わたしはだいぶ回復していたので、引き続きテンをふわふわして過ごすことにした。手のひらがもふもふの毛並みに埋もれてとても気持ちいい。テンの耳の後ろを優しく撫でてあげるととても気持ちよさそうだ。
「よし、そろそろ行けるぞ。行こう。」
「はーい。」
わたしたちは階段へ向かった。
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