第41話
今日は錬金窯の祠へ行く。錬金窯の祠は里を出て左側に行って一番最初にある祠だ。
祠の入り口にある改札を通る。今日はアルが前衛だ。アル、テン、私の順で進む。そのまま奥に進むと道がでこぼこしてきた。
でこぼこした道を苦労して歩く。ゴツゴツした岩でできた洞窟みたいなところだ。たまにキラキラした六角柱の水晶が生えている。
歩きづらいなあ。
魔法使ったらどうなるかな?
足元に土魔法を使ってみる。すぐ元に戻るが、歩きやすくなった。
「アル、土魔法使ってみない?」
「土?どういうイメージで?」
「このぼこぼこを平らにする感じで」
と言って私はやってみせる。そして進むとすぐに道はまたぼこぼこになる。
「やってみるか。」
アルが土魔法を使いながら歩く。アルが使った魔法はアルが通るとすぐに意味がなくなるので、私も自分で使う。
「テン!おいで。」
「きゃん!」
テンをウェストポーチに入れてから歩く。あとで活躍してもらうかもだから体力温存してもらおう。
たまにミミズモンスターが出るのを倒しつつ歩いて行く。
目の前に壁が現れた。
え?行き止まり?
横を見ると前向きな矢印で進路と書いてある。
「進路?」
「こっちに進めってことだよな?」
私の疑問にアルが答える。
「だよね。どうやって?土?」
「か、金?」
「私、金あまり得意じゃないんだよね。」
「じゃあ土でするか。」
「動かして穴を開けるか、柔らかくして崩すか。」
「穴開ける方が簡単?」
「私は。」
「じゃあ、穴あけようぜ。」
「うん。」
アルが土壁に近づいて行く。
真ん中を縦に指差し、
「ここら辺から開けよう。」
「うん。わかった。」
「じゃあ、やるぞ。せーの。」
「えい!」
土魔法を使って真ん中の土を動かして通れるようにする。そうすると壁に通れる隙間ができた。
「できた。」
「な。」
ふうと一息ついていく。
「きゃん!きゃん!」
テンが見てって言うので見ると、壁の隙間がじわじわと狭まりだした。
「わ!大変!」
「わー!行くぞ!」
「うん!」
私たちは急いで壁の隙間を通る。通ったあとはまた壁となって塞がってしまった。
「テン、ありがとう。」
「きゃん」
テンのおかげで助かった。
前を見ると、2階へ行く階段があった。
「ちょっと休憩するか。」
「うん。そうしよう。」
私はレジャーシートを引く。おやつと水筒を出してゆっくりすることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます