第38話
今日は錬金術の説明を受けに行く。この説明は受けなくても錬金術の祠は行けるが、受けてから行った方がいいとのことだ。
「錬金術の説明を受ける方はこちらへどうぞ。」
里の中の集会所へ案内される。夏休みなので私たちの他にも2人が受けにきている。
「それでは魔法使いが使える錬金術について説明します。みなさんご存知だと思いますが、錬金術と言ってもスキルとして存在する錬金術師と同じではありません。」
魔法使いのお兄さんが説明を始めた。みんな真剣に前を見ている。
テンまで机の上に乗って真剣に見ている。テン、錬金術も使いたいの?
「魔法使いが使える錬金術は魔道具作成と、薬術です。そのどちらも錬金窯を手に入れる必要があります。錬金窯はまず錬金窯の祠へ行ってもらう必要があります。」
そっか。じゃあまず、錬金窯の祠だね。
「錬金窯は手に入れると、このようなバングルになります。」
お兄さんが左手を上げて、冒険者資格のバングルの下にある細いバングルを見せてくれる。
「これを触って念じると錬金窯になります。」
お兄さんが細いバングルに触ると、錬金窯になった。お母さんの錬金窯とは少し形が違うようだ。
「この錬金窯は念じる時のイメージで形が変えられます。」
そうなんだ。何個か持ってると思ってたけど一つなのかな。
「次は魔道具についてです。魔道具は魔法使い特有の錬金術です。魔法の属性を込めて使います。ですから、ご自分がまだ得ていない属性の魔道具は作れません。」
そうか。魔法の練習もしないといけないし、特殊属性の祠に行かないと作れない魔道具もあるってことだね。
「魔道具の祠はレベル1から5まであり、レベル5をクリアするとオリジナルの魔道具が作れるようになります。」
お母さん、レベル5超えてるんだね。
「次に、魔法薬です。魔法薬の祠はレベル1から3まであります。魔法薬で作れるのは状態異常に関するものなどもありますが、魔道具に近いものです。どちらも一時的なものです。薬師の薬術とは違うことをお知りおきください。」
ふむふむ。魔道具に近い薬か。どんなのがあるのかな。
「錬金術の魔道具の祠や魔法薬の祠に行き、最上階にある石に手を触れると錬金窯に機能が追加されます。魔法学園に入られた場合、魔法錬金術の講座もありますのでお知りおきください。」
そうだよね!何個も窯いらないもんね!
昔、アルとテンと見学したやつだね。
テンがふんふんと頷いている。
説明会が終わった。私たちは明日錬金窯の祠へ行くつもりだが、他の2人は今から行くようだ。
私たちは宿へ帰って、訓練と飛行魔法の練習をすることにした。
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