第34話
今日の午前中はアルの魔法の練習に付き合う。
まずは初級魔法だ。初級魔法は頭でイメージして手から魔力を出すだけだ。
「リア、見本見せてあげて。」
「はーい」
「まずは、水を出すねー!」
バシャン!
「きゃん!」
バシャン!
テンも見本を見せてくれるらしい。
「次は風ねー」
ふわっとアルの髪をゆらす。
「きゃん!」
テンは木の葉をゆらしている。
「次は火ね」
ボゥ!
テンが落とした木の葉を燃やす。
「きゅう…きゃん!」
ボッ
テンが体に力を入れたと思ったら小さな火が出た。
「え?テンいつのまに練習してたの?」
「きゃん!」
「え?わたしの見て?」
あれ?テンって雷風狼じゃなかった?
「きゃん!」
「頑張った?確かにそうだね!よく頑張ったね」
まぁ、いっか。可愛いし。
「つぎが、土」
私が土を動かす。
テンは土はできないみたいだ。
「あと金属の形変えるのあるけど、私あんまりイメージできなくて…」
「オッケー!ありがとう。」
アルが練習を始める。
「きゅう!きゃん!」
テン何してるのかな?
「きゃん!」
「きゃん!」
「きゃん!」
しばらく見ていると、砂が少し動いた。
「もしかして土魔法使ってる?」
「きゃん!」
「うちの子天才?」
私はテンをぎゅっと抱きしめる。可愛い上に努力家で、才能あふれるってなんて素晴らしい子なんだ。
私は中級魔法の練習をしながら、2人を見守った。
「じゃあわたしたち走ってくるね。」
午後からは今日もテンとレンと走りに行く。昨日と同じだけ走ったあと、複合魔法の練習をしようと思った。
「テン、風と土、合わせる?」
中級以上の魔法じゃないと複合魔法はできない。土の中級魔法の砂なら行けるかもしれない。
「きゃん!」
テンはいつでもやる気満々だ。
里の近くの森まで行く。失敗した時はレンに乗って逃げるためレンも準備している。
「テン!風!」
「きゃん!」
「砂!」
砂嵐だ!
ブワッ!逆にきた!イメージ失敗!
「ウォン!」
レンが水の盾を張って、わたしを背に乗せ、テンの首を咥えわたしに投げる。
「わっ!」
テンをキャッチした。
レンが後ろに大きく飛んで、そこから砂嵐のこない場所へ移動する。
砂嵐がおさまるともう一回だ!
「テン!風!」
「きゃん!」
「砂!」
今度は左へ流れていった。
難しいなあ。。
何回も何回も繰り返す。
2人のイメージがそろわないとダメみたいだ。
何回かしたけど、難しい。
砂じゃダメなのかな?ただの砂嵐は微妙かな?
「テン、石でやろうか?」
「きゃん」
テンがオッケーと言っている。
「テン、風!」
「きゃん!」
「石!」
小さい石をたくさんイメージする。
「ウォン!ウォン!」
これはすこしでも当たったら痛そうだから、レンがすぐに水と氷の盾をダブルで張る。
向こう側の水の盾には何個か当たっていた。
うん。これならいけそうだ。
でも遠くに攻撃する時だけだね。当たったら痛そうだし。
何度か練習して調整できるようにする。まだコントロールが甘いがそろそろ疲れたので帰ることにした。
さあ、明日から祠巡りだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます