第31話

 朝起きて身支度をする。午前中には転移陣まで行きたいそうだ。


「きゃん!」

 風の刃が飛んでいく。


 朝食を食べてお片付けしていると、テンが楽しそうにモンスターを倒している。


「ウォン!」

 レンが氷の刃でモンスターを倒す。

 暇つぶしなのかな?


「ウォン!」「きゃん!」

 ひどい。水を撒き散らして雷を出すなんて…そこらへんのモンスターはみんなプスプスと炭化している。

「きゃん!」

 とどめだ。

 テンの雷の威力上がってるなー。

 モンスターが素材に変わった。


「きゃん!」

 おぉー。風の竜巻で素材を集めている。

 集め終わった素材を尻尾で寄せて、わたしの前に持ってきた。


「きゃん!」

 どうぞ。

 山盛りの素材を差し出された。


「テン、レン、ありがとう!!」

「すげー。」

 わたしは2人を抱きしめる。アルが横から覗き込んでその量にびっくりしていた。


 リュックに素材を詰めていく。このリュックどれだけ入るんだろ。


「あら、リア、いっぱいもらったわね。」

「うん!」

「魔道具作成の祠も行く?レベル1、2ぐらいなら楽勝よ。素材もテンとレンがいくらでも集めてくれそうだし。」

「きゃん!」「ウォン!」

 任せて!って言っている。


「魔道具が作れれば、テンとレンにも何か作ってあげられる?」


「ええ。」

「じゃあ、行く!」


 魔道具は、祠にある魔道具作成の窯でしか作れない。他人の窯は使えないそうで、窯のレベルによって作れるものも違うそうだ。


 素材をリュックに詰め込み終わると出発だ。


 バチン!

 シュパッ!

 シュパッ!

 バチバチッ!

 お母さんたちが倒すモンスターとは違う方向からもモンスターを倒す音が聞こえる。

 その度に、テンやレンが素材を渡してくる。


 そうこうしているうちに、転移陣前の守護モンスターにたどり着いた。


「中には大きなムカデがいるからね。まず、アルは毒を防ぐ結界を張ってね。近付いたら危険だから遠距離攻撃をするよ。リアはテンと炎の竜巻ね。あとは各自好きな攻撃で。」

「はい!」


 お母さんが指示を出す。私とアル以外にはとても雑だ。


「じゃあ行くよー!」

 お母さんが転移陣前の扉を開ける。


「結!」

 アルの結界ができた!

「各自、攻撃!」

「ウォン!」

 レンが氷で攻撃する。

 お父さんやおじさんも弓矢で攻撃だ。


「テン!風!」

「炎!」

 わたしたちは言われた通りに炎の竜巻をだす。お母さんも無言で同じものを出している。


 ムカデはのたうち回っているが、まだ生きている。むくりと起き上がって、毒を吐く動きをしている。


 毒を吐き出した!

「グッ!」

 アルが結果を支えるが、きつそうだ。

「攻撃!」


「テン!風」

「きゃん!」

「炎!」

 炎の竜巻をもう一度出す!

 アルをチラッと見ると押されている。


「結!」

 おじさんも結果を作り、毒を押し返した。


「レン!氷!」

「ウォン!」

 レンが毒を凍らせる。毒の液体が固まって下に落ちた。


「炎風刃!」

 お母さんが上級魔法を使う。


 ムカデは炭となった。


 ムカデが消えた後には大きな黒い宝石が落ちていた。


「浄!」

 お母さんがその黒い宝石をきれいにしてから拾っている。


「ふう。テン、おつかれさま。」

「きゃん!」

 リアもね。

 と言われた。



 ゴゴゴゴゴ

 ムカデの後ろにあった扉が開いた。


「じゃあ転移陣へ行くわよー!」


 私たちは扉の中へ向かった。




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