魔物つかいリア、魔法使いの里に行く

第30話

 今日から夏休みだ。

 レオンが帰ってから、私とテンとアルはダンジョンに通った。その結果、夏休み前の寸前には私たちはレベル80を超えランクはCになった。


「お母さん、私たちランクCになったよ。」「あら、じゃあ旅行は転移陣でいけるね。」


 というわけで、私とアルのふた家族はダンジョンへ向かう。

 転移陣に乗るには、50階に行く必要がある。お母さんとお父さんとおじさんはスキップできるのだが、わたしとテンとアルのスキップは40階までである。だから10階分攻略しなければいけない。だからお父さんのカバンには野営の準備が入っているらしい、


 何日かかるのかな?


 と思ったのだが、必要なのは移動の時間だけだった。経験値のために毎回一回は攻撃するように言われる。

 そのあと、3人の大人たちの誰かが一撃で倒すのだ。

 きっとレベルも上がるだろう。


「ねぇ、アル、こんなに楽していいのかな。」

「あとで調整しないとダメだよな。」

「うん。」


 レベルが上がると、力の使い方が変わる。自分の実力で上げる場合は、意識しなくても調整できるが、急に上げると調整が難しくなる。


 48階まで着いた。48階は森のようになっているので木陰が多い。目立たずに休めるらしい。

 お父さんがテントを貼る。


「アル、最近練習してないだろう?」

 おじさんがアルを呼ぶ。

「うん。」

「今日はアルが張りなさい。」

「はい。」


 アルが空間を見つめている。魔力で囲むのをイメージするそうだ。

「結!」

 わたしには何も感じないが、終わったようだ。


「よし、うまくできたな。」

「へへっ」


 おじさんが誉めているから成功したのだろう。


 ご飯の準備だ。と言ってもお弁当だ。

 テンのご飯は、レンが水を出してくれるのにわたしが火をぶつけてあためてふやかす。

 わたしはまだ基本的なもの1つずつしか魔法は使えない。

「テン、レン、ご飯だよ。」

 レンのご飯も作って、2人にあげる。



 食後にストレッチをしたあと、テントの中に入る。中は見かけより広いみたいだ。わたしの寝る場所と思われるところにはレンがもう座っていておいでと尻尾を振っている。

「きゃん!」

 テンが嬉しそうにレンの方へ向かう。


「わん!」

 あ、ぽぽだ。どこにいたんだろう。テントの中かな?昔から急に現れてはどっかに行く。

 わたしは、ぽぽをわしゃわしゃと撫でる。そうすると満足したのかいなくなった。


 わたしはレンの方へ向かう。お母さんは今日獲得した素材を吟味して分けている。また何か作るのだろう。あれは何になるのかな?


 今日はとても疲れた。もう寝よう。

 わたしはレンにくっつき、テンを抱えて眠りについた。








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