第23話

「ただいま」「きゃん」

「おかえり」

 お母さんだ。


「お母さん、相談があるんだけど…」

「うん。どうしたの?」

 わたしはお母さんのいるリビングへ向かう。テンと一緒にソファに座った。


「夏休みに魔法使いの里に行くでしょ?」

「うん。」

「わたし今、レベル25でEランクなんだけど、これぐらいで大丈夫なのかな?」

「そうね…もう一日ダンジョンに行くの増やす?」

「うん。そうしようかな…」

「アルも誘って行ったらどう?」

「レオンは?」

「レオンはそろそろお迎えが来る頃だと思うんだけどね。」

「そうなんだ。」

「うん。あらかた片付いたって連絡があったから。」

「そっか。よかったね。」

「そうね。」


「じゃあアルのところ行ってくるね。テン、行こ!」

「きゃん!」

「行ってらっしゃい。」



 わたしはテンとアルの家に向かった。


「アルー、いるー?」

「おう」

 アルは、レオンと訓練しているようだ。元気だなー。


「アル、夏休み、魔法使いの里行くでしょ?」

「うん。」

「祠に行くのにレベル不安だから、もうちょっとダンジョン行かない??」

「あ、やっぱり?俺もちょっと低いかなと思ってた。」

「うん。」

「レオンどうする?」

「お母さんがレオンはもうすぐお迎えが来るって言ってたけど、お迎えが来るまでは一緒に行く?」

「そうなの?」

 アルが聞き返した。

「うん。あらかた片付いたって連絡が来たらしいよ。」

「そっか。よかったな。」

「うん。…帰るまでは一緒に行っていいかな?」

「おう。」

「うん!もちろんだよ!」


「このメンバーでも連携は変わらないかな?」

 わたしがきく。


「そうだな。前衛、後衛は変わらないな。ただ、怪我した時の回復が心配だな。あと全体攻撃の回数が減るな。」

「全体攻撃の方はまだ何とかするとして、回復どうしようか。」

 アルとレオンが答えた。


「回復魔法、3人ともそんなに上手くないもんね。テンは使えないし。」

「うーん。」

「俺とリアは過防御な装備だからまだいいけど、レオンが心配だな。」

「うん。そうだね。」

「え、テンは?」

 レオンが聞く。

「テンはこの毛皮、中々貫通しない上に、中に風が入ってるからダメージ少ないし、不意打ちで触ると帯電してるから危ないよ?」

「きゃん!」

 パチィッ!


 テンが会えて放電して見せた。


「え。そんな自動防御な体なの?」

「うん。テンは強いもんねー。」

「きゃん!」


 わたしがわしゃわしゃ触る。


「触って大丈夫なの?」

「うん。わたしは契約してるからいつでも大丈夫だよ。触る?」

「いい。やめとく。」

「え、結構大丈夫だぞ。触ろうとしたら雷消してくれるし。」

「でも、アル、昔不意打ちで触って、バチってなってたよね。あはは」

「あれは痛かった。」

「きゃん!」

「あれでも、急いで消したって言ってるよ。」

「そうなんだ。気をつけるよ。」


 レオンの顔が若干ひきつっている。


「今はもう大丈夫だよ。」

「きゃん!」

「素早く消す練習いっぱいしたから大丈夫だって。」



「そうか。とりあえず僕は気をつけるようにするよ。」

「なんか、装備増やしてもいいかもね。」

「おばさんに聞いてみてくれよ。」

「わかった。帰ったら聞いておくね。じゃあ帰るわ。訓練の邪魔してごめんね。テン、行こ!」

「大丈夫、またなー。」

「またねー。」


 わたしは家に向かった。





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