第19話
ダンジョンについた。今日の付き添いはお父さんだ。レンも一緒だ。
「わ、リア、本格的な装備だね。」
先についていたマヤに言われた。
「うん。なんか夏にドラゴン見に行こうと思って用意してたんだって。」
「ドラゴン…、リアのとこはお父さんもお母さんも冒険者免許あるんだったね。」
「うん。そうだよ。マヤんとこは?」
「うちはお父さんしか持ってないよ。うちのお母さんは格闘家といっても警備隊では事務だし。」
「そうだったの?」
「うん。ユラんとこも似たようなもんじゃない?」
知らなかったなあ。大人はみんな持ってると思ってたよ。
「マヤー!リアー!みんなー!」
ユラがきた。
「おはよう」
「おはよう。遅かった?」
「んーん、全然。」
「わー、リアかっこいいね!」
「ありがとう。」
ユラもマヤも装備は既製品らしい。私みたいにオール手作りって珍しいのかな?
「冒険者免許?うち、両方持ってないよ。」
「え?」
「ほらー。そんなもんだよ。」
「知らなかった。持ってる方が少ないんだ。」
「どうかわかんないけど、うち農家だからねー。必要ないんだ。」
「そっかぁ。」
「リアんとこは、お父さん警備隊でバリバリやってるし、お母さん研究でいろんなところ行くし魔道具作るしで必要なんでしょ?」
「そっかー。そうだね。確かに。」
必要なければ持ってない。確かに納得だ。
「わ、アルくんもかっこいいね!」
「そっかー?」
「うん!決まってる!」
ユラがアルをほめている。
「あれ?3人とも耳の、一緒??」
とマヤが言う。
「うん。お母さんが作ってくれたんだ。」
「へー。お母さんセンスいいね。」
「ありがとう。ちなみにテンもだよ。」
名前を呼ぶと、テンが鞄から顔を出した。
「きゃん」
「本当だ。テンー、よかったね。」
「きゃん」
「そろそろ行くぞー」
お父さんに呼ばれ、ダンジョンに向かう。初めてなので受付のお姉さんのところに行く。
「おはようございます。」
「おはようございます。」
みんなで挨拶をすると、お姉さんがニコッと笑ってくれた。
「この子たち初めてなので、説明をお願いします。」
「わかりました。ダンジョンに入り、モンスターを倒すと経験値というものが手に入り、レベルが上がるのはご存じですね。」
「はい。」
「資格試験に合格した日に配られた、バングルを見てください。Fと書いてありますね?」
「はい。」「きゃん」
テンも一緒にバングルを見ている。
「モンスターを一定量倒し、受付に来て申請してもらうと、Fの横に数字が書き込まれます。それがレベルです。ここまでよろしいですか?」
「はい。」「きゃん」
「レベルが上がると、皆さんのスキルに応じて、体力、筋力、魔力、運などが上がるのはご存じですね?」
「はい。」「きゃん」
「急にレベルが上がると筋肉痛になったり、魔法の出力が強くなりすぎたりするので注意してくださいね。」
「はい。」「きゃん」
「こちらを見てください。」
お姉さんは横の掲示板に貼られた紙を示す。
「ダンジョンのモンスターは素材を落とします。その素材は貴重なものです。いらないものでも受付に持ってきてくだされば買取ります。この掲示板に載っているものは高く買取りますのでチェックしておいてください。」
「はい」「きゃん」
テン用のリュック作ってもらった方がいいのかな?
「最後に、無理はしないでくださいね。地道に一歩ずつ攻略してください。」
「はい。」「きゃん」
「それでは、ダンジョンライフをお楽しみくださいませ。」
お姉さんの説明が終わった。私たちは改札へ向かう。ダンジョンの入り口にある改札にバングルをかざすと中に入れるのだ。
このダンジョンは洞窟の上に塔が立っている形だ。洞窟へ入ると、大きなホールの奥に階段が見える。
スライムがたくさんいた。スライムは誰にでも倒せるはずだ。
「じゃあ、みんな1人10匹以上倒して、20分後に二階への階段前に集合だ。」
テンが鞄からするっと出てきた。私はテンとスライムを倒しに向かう。魔物つかいと使い魔は経験値を共有する。私が倒してもテンが倒しても一緒なのだ。
スライムは雷系に弱いはずだ。
8匹ぐらい集まっているところを見つけた。この距離ならいける。
「テン!
「きゃん」
8匹同時に倒せた。やったねテンな鼻と手を合わせる。
今度は5匹だ。
「テン!雷!」
「きゃん!」
楽しい!またまたハイタッチをする。
次は10匹のところを狙おう。狙い撃ちしようとしたら、10匹が大きな1匹になった。
「テン!雷!」
「きゃん!」
一発じゃだめか。
「テン!雷!」
と言いながら、私も火魔法を放つ。雷系は祠に行かないと使えない魔法なのだ。
「えい!」
私たちは大きなスライムを倒した。抱き合って喜んだ。
スライムがいなくなったところには青くて透明な石が落ちていた。わーい。初めの素材だ。リュックにいれる。
あと一つぐらいの集団で終わりかな?
階段に向かいながら、見つけた何匹かを狙う。
「テン!雷!」
「きゃん!」
そのあとは通りすがりに、テンは爪でプチっとし、わたしも杖から剣を抜いて、切り捨てておいた。
階段についた。みんなも集まってきている。
「じゃあ2階に行こうか。」
「はい。」
次は2階だ。どんなモンスターがいるのかな?
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