第17話

 一番最初にアルが出てきた。お互いを見てなんでいえばいいのか悩む。アルは合格確実なはずだ。


「どうだった?」

「うかった。リアもだろ?テンもか?」

「うん!」「きゃん」


 よかった。


 つぎにユラが出てきた


「リア!アルくん!合格したよ!」

「おめでとうー!」

「2人は?もちろん合格だよね!?」

「うん。合格だよ!」


 やったね!と喜びあってたら、マヤが出てきた。

「わたしも合格ー!!」

「やったー!!!」


 そしてレオンも出てきた。物静かに。


「れ、レオン?」


「合格したよ。」

「よかったー!」

「驚かすなよ。」

「人が悪い」

「もうレオンったら!」


 これで5人全員合格だ。


「ゴホン、君たちよろびあってる所悪いんだが、他の受験者の手前遠慮してもらえるかな?」

「「「「「すみません!!」」」」」


「合格者はこちらへどうぞ~」


 受付嬢っぽいおねえさんに呼ばれ、移動することになった。


「前から詰めて座ってくださいね。」


 お姉さんに指示されて前から座っていく。座るとバングルが渡された。私だけ二つ渡される。


「名前を確認してくださいね。」


 見るとそれぞれ、リア・テンと書かれている。テンにつけられるかな。普段ならちょうどいいかも?バングルとテンの首を見比べる。

 しばらく待っているど合格者が入ってきた。8割ぐらいは合格するみたいだ。



「それでは説明しますね。まず、バングルの名前を確認してください。それは魔道具です。みなさん左腕につけてもらいます。魔物つかいの方は二本つけてください。その時は自分のものを手のひら側につけてくださいね。」


 せっかく頑張って免許とったのに、私が付けてていいのだろうか?と思ってテンを見ると、テンが鼻でバングルを押してくる。


「いいの?」

「きゃん」

「ありがとう」

 テンの頭をふわふわっと撫でる。


「つけれたら、職員が回るのでそのままでいてください。」


 別のお姉さんが来た。

「左腕を出してください。」

「はい。」


 私は言われた通り、左腕を出す。


「あなたがリアさんで、そちらが雷風狼のテンさんですね」

「はい」


 お姉さんが私の左腕を両手で包むと、光って二つのバングルが一つになった。そして、魔物つかいの記号とFという文字が刻まれている。


「帰りに、受付に寄ってくださいね。テンさん用の免許札をお渡しします。」

「ありがとうございます。」

「きゃん」

「テン、よかったね。」

「きゃん」

 テンも嬉しそうだ。


 前にいるお姉さんが全員のバングルが付け終わったのを見て話し出す。

「そのバングルがないとダンジョンには入れません。失くさないようにしてくださいね。本人以外は使えませんし、使おうとするとバングルが熱くなり火傷します。ご注意ください。身分証明書にもなるので、常時身に着けていることをお勧めします。申請されたスキルの記号とランクが刻まれています。スキルによって入れる祠が違いますし、ランクによっては入れない場所もあります。注意してください。稀にスキルを二つお持ちの人がいます。その場合あとで受付に来て申請してください。もし、何らかの事情があり別のスキルで申請している場合も同様です。受付で申請してください。」


 受付に行ったときに、スキルの申請もしないといけない。


「ランクは自動的に上がります。ダンジョンの入り口で確認できますので、ランクが上がり次第ダンジョンの受付で申請してください。説明は以上です。何か質問はありますか。」


 誰も質問はないようだ。


「それではみなさま。世界各地にあるダンジョンをお楽しみくださいませ。」


 解散となった。

 部屋の外に行くと、保護者達が迎えに来ている。


「じゃあ、明日10時にダンジョン前でいいかな?」


 今日と明日は学校がお休みだ。せっかくなのでダンジョンに行ってみたい。


「うん。また明日。」

「明日たのしみだねー」

 と言ってマヤとユラは帰って行った。


 私は受付に向かう。


「アルも行くでしょ?」

「おう。」

「あ、僕も質問があるから行くよ。」


 私たちは受付へ向かい、それぞれ別々のお姉さんのところへ行く。


 私はテンを持ち上げて言う、

「すみません。この子の免許札と、スキルの申請に来ました。」

「はーい。リアさんね。ちょっと待ってね。」


 お姉さんはバックヤードに入り、小さな輪っかを持ってきた。


「はいどうぞ。名前を確認してくれる?」

「はい。」


 テン・リア F

 と書かれている。


「確認しました。それは正式なものじゃないけど、頑張って試験に合格した使い魔さん用なの。受付に来てくれたらランクも変えれるからね。」

「はい。ありがとうございます。」

「あとは、スキルの申請ね。もう一つのスキルは?」

「魔法使いです。」

「オッケ―、左腕をだしてください。」


 お姉さんの両手で左腕が包まれ光った。バングルには魔法使いのマークが増えていた。


「ありがとうございます。」

「いいえ。また何かあったらいつでもきてください。」

「はい。」


 私が、両親のところへ戻ると、アルとレオンはもう戻っていた。



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