第4話

 アルの家で男の子を洗浄魔法で洗う。洗浄魔法は魔物つかい必須の魔法だ。水がダメな使い魔もいるので小さい時に覚えるのだ。


「おじさん遅い?アル、一人で大丈夫?」

「うん。どうにか説明するよ。」

「あ、うちにお父さんいるよ?」

「え?そうなの?」

「今日朝番だって。」

「じゃあ、おじさんに言おっか。」

「うん。呼んでくる。」




「ただいま。」

「「おかえり。」」

 お父さんとお母さんの声がする。お父さんは台所、お母さんは書斎だろう。

 お父さんの使い魔のレンが尻尾をゆらゆらふりながらお迎えしてくれる。

 レンが迎えに出たのでぽぽは書斎から遠慮がちに見ている。


「レン―!お父さんは?」


 レンの首に抱き着く。レンは来るんと首を振って私をレンの上に乗せて運んでくれる。


「リア、どうかしたのか?」


 お父さんに小さな声でさっきの出来事の話をする。お母さんに聞こえていいのかはわからないからだ。


「わかった。リアは家にいなさい。アンナ、俺は隣に行ってkるう。ご飯はできているから、リアと食べていてくれ。」


 アンナはお母さんの名前だ。


「はーい。」

 お母さんの声が書斎から聞こえた。


「レン、レンはリアといてもらえるか?」

「ウォン」


 レンは残ってくれるので私はレンの背中の毛に顔をうずめた。




 しばらくレンの毛並みを堪能したあと、お母さんが出てくるまでにテンとレンのご飯の準備をする。自分の相棒のご飯は自分で用意するのだ。テンはまだ幼体なので柔らかくしてあげないといけない。

 わたしはレンから見て、相棒の娘なので、わたしからご飯をもらうのもアリらしい。これは個体差があるらしいが。


「レン!テン!ごはんだよ。」


 差がつかないように、置いてから二匹を呼び、テンを鞄から出す。眠そうだが、食欲はあるらしく嬉しそうに尻尾を振っている。レンはいつも通り優雅に食べていた。



 


お母さんが書斎から出てきたのでご飯をならべる。


「リア、おいで。」


 お母さんに抱きしめられた。お母さんは何も言わなくてもわかってるようなことがよくあって不思議だ。


「さあ、ご飯食べよう。」


 二人でご飯を食べていると、お父さんが帰ってきた。

 テンとレンはご飯を食べ終わったみたいで、レンがテンを舐めてきれいにしてあげている。赤ちゃんの時から一緒にいるから子どものように思っているみたいだ。


「ただいま。」

「「おかえり」」


 聞いていいのかな?と思ってお父さんを見る。


「アルから、今日の話を聞いたよ。詳しい話はまだわからないから、明日になると思う。リア、盗賊の討伐よく頑張ったな。」

「うん。テンが頑張ってくれたんだよ。すぐに大きくなってかばってくれようとしたんだ。」


 レンが、テンの顔を舐めている。えらいねみたいな感じかな?


「リア、よく頑張ったわね。疲れたでしょう?」

「うん。」


 私はあの光景を思い出して嫌な気持ちになった。


「さあ、もっと食べて。お腹いっぱいになって寝るのが一番だよ。」


 そうだ。盗賊討伐なんてよくあることなんだから気にしないようにしなきゃ。私はご飯を再開した。

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