第5話


「行ってきます」

「きゃん!」


「ウォン」


 私たちの出発をレンが見送ってくれる。テンは今日も学校まで歩く。体力をつけているそうだ。

 外に出ると、家の前にアルがいた。


「あ、アル、おはよう。どうしたの?昨日の子の話?」

「おはよう。うん。今日学校終わったら何かあるか?」

「今日はお父さんに訓練してもらう日だから、それが終わったらいけるよ。」

「じゃあ、終わったらおじさんと家に来てくれ。あと、あいつらにも来るように言ってくれ。」

「わかった。」

「じゃあ。」

 と言って、アルが先に学校へ向かう。


「おはよう。」

「「おはよう。」」


 ちょうど、ユラとマヤとの待ち合わせ場所だ。


「アルくんときたの?」


 ユラが羨ましそうに見てくる。そんな羨ましがることなんて何もないのに・・・


「うん。今日家に来てって。昨日の話みたいだし二人も来れる?」

「行く行くー。」

「わたし、今日お父さんとの訓練だから、先に行ってて。」

「え?いいの?」

 マヤが驚く。

「行きづらいなら、終わるまでうちにいてくれてもいいけど・・・」

「わたしはレミの家する。」

「わたしも。」

「そっか。はやめに終わるようにするね。」

「うん。」





 放課後、私は急いで家に帰った。

 訓練は、私とお父さん、テンとレンでする。

 テンはレンに水魔法を教えてくれとねだっている。私は今日は基本訓練だ。体力づくりや組手や筋トレ、あと俊敏さを鍛える訓練やバランスをとる訓練をする。魔物つかいは、魔物に合わせる必要があるため、なんでもできるようにならないといけないというのがお父さんの方針だ。


「アルを呼ぶか。」

 お父さんが言う。よくあることだ。


 アルとは、昔からよく一緒に訓練をする。おじさんは忙しいし、おばさんは昔に死んじゃったらしいからか、昔から一緒に過ごすことが多い。


「アルー!」

 お父さんが隣の家に向かって声をかける。

「はい。」

 アルが顔を出した。

「一緒に訓練するか?」

「うん!」

 アルが嬉しそうにうなずく。


 アルが木刀を持ってでてきた。。今日は剣か。剣術苦手なんだよね。



 しばらく、アルと打ち合うが木刀が飛ばされた。


「リア、休憩するか?アル俺とやろう!」

「うん!」


 嬉しそうだなー。しばらく眺めていたが、テンの訓練が気になって見に行く。


「うー、きゃん!」


 水がぽとっと落ちる。

 え・・・水出たよ。なんで?雷と風の属性しかないんじゃなかったっけ?

 レンが首を振り、


「ウォン!」

 という。


 大きな水の渦がぐるぐる回っていた。


「きゃん!」


 ちょっと水の量が増えた。何回もすると、とても小さく細い渦巻が目の前に現れ、すぐに消えた。


「きゃんきゃん!」


 喜んでジャンプしている。


「テン!すごい!!」


 声をかけると、嬉しそうに駆け寄ってきてジャンプした。私の手の上に乗り、私の顔をなめる。よっぽど嬉しいのだろう。


 ピンポーン


 チャイムが鳴った。多分ユラかマヤだろう。テンを抱っこしたまま門へと向かった。


「はーい」

「「お邪魔します。」」


 二人を玄関ではなく訓練場へ案内する。

 

「え、アルくん!なんで?」

「アルはちょくちょくうちで訓練してるよ。」

「そうなの!?聞いてない!」


 ユラが興奮している。


「あれ?そうだっけ?」

 

 まあまあと宥めながら3人でレオとお父さんとの訓練を眺めていた。

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