第9話

「お父さん、ご飯いるけどすぐ来るって。」

「じゃあ、簡単なものしか無理だな」


お父さんは台所に材料の確認に向かった。





しばらくして3人が家にきた。


「しばらく3人で今日の宿題でもやっとけ。俺はギルバートと話がある」


ギルバートはお父さんの名前だ。

3人で冒険者クラブの復習をする。レンがこっちを見守っている。母性愛溢れる魔物だなあ。


「ねぇ、レンは冒険者免許持ってるの?」

ふと思い出して聞いてみた。

「ウォン!」

持ってるらしい。さすがだ。


テンも教本を覗き込んでいる。え、読めるの?読めないよね?


「3人とも来なさい。」


お父さんたちの話し合いが終わったみたいだ。


「まず、俺からの意見を言う。レオナルドさま、いや、レオンはアルの従兄弟ということにする。それで明日から初級学校に転校してもらう。ここまではいいか?」

おじさんが話しだした。

「「うん。」」


レオナルドさまは戸惑っている。


「それで、二人は今日冒険者クラブに入ったみたいだが、レオンもすぐに入りなさい。それで冒険者の資格をとること。」

うんうんとうなずく。


「それで確認なんだがあの時一緒にいたメンバーは冒険者クラブにはいったのか?」

「はいったよ。」

私が答える。

「スキルは?」

「魔法使いと格闘家。」

「バランスいいな。」

「「え?」」

わたしと、アルの声が重なる。


「アルは前衛だ。リアは後衛か間ぐらいまでだろ?」

「うん。」

「魔法使いが後衛、格闘家が前衛だ。」

「パーティを組むのにちょうどいい。」

「そっか。」

「レオン、君のスキルは?」

「剣士です。」

「前衛3の後衛2だ。いい感じだ。それで、みんなが資格を取ったら、ダンジョンの一階でレベル上げだ。最初は俺たちが付き添うし、強くなっていた方がいいだろう。領主様が帰ってくるまでここに隠れてられるのが一番なんだが、万が一があるからな。」

「そんな迷惑をかけられません。」

レオナルドがとんでもないという風に言った。


「こいつらは、そのうち冒険者資格を取らせようと訓練させてたし、ここら辺は街から離れるとすぐに治安が悪くなるから、みんな戦闘訓練は積んでいる。もともと結構強い。訓練する時期が少し早くなっただけだ。」

「でも・・・」

「領主様が帰ってくるまで何もなければただ訓練しただけでおわるよ。保険だ、保険。」

「わかりました。」

レオナルドがしぶしぶうなずいた。


「じゃあ明日から早速訓練だ。」

「うん!」「はい」

アルは元気に返事をした。レオナルドも返事をしている。

「今までより厳しくなるぞ。」

「はい!」「はーい」

アリと私が返事をした。


「それとアル、来い。手伝え。」

「はい!」


アルの目がキラキラしている。

そ実はこの2人は結界師なのだ。今から結界を張るのだろう。結界師一族は自分が結界師なのを隠すらしい。だからわたしも誰にも言ってない。





晩御飯を食べ終わったら、お父さんは夜勤に行く。


「リア、これから夜勤の時はレンを置いて行くから一緒に寝なさい。」

「え?お父さん困らない?」

「移動スピードが落ちるが大丈夫だ。お父さんがいないときはレンから離れてはいけないよ。」


お父さんの目はいつになく真剣だ。


「わかった。レン、よろしくね。」

「ウォン!」


レンに顔をペロッと舐められた。何かあっても私が守ってあげるからね。だって。安心するなあ。


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