第2話
テーブル下で駆け回るポチ。その姿を店内にある木目調の椅子から眺めるのは黒猫のサクラ。サクラの特等席は、お店の入口のすぐに用意された待ち合い用の椅子。そこにちょこんとお座りをして、お店全体を眺める看板猫。サクラは凛とした顔で店内を眺めるのだが、相変わらずちょこまかと動くポチには毎日世話を焼いている。
ギイッ
新しいお客様が来店した。サクラはお客様に美しい猫座りを見せつける。入ってきたお客様は、常連の松本(まつもと)親子だった。
松本・娘「あーサクラ、今日も綺麗にお座りしてる」
松本・母「美しい看板猫ね。いつもお出迎えありがと」
そう言って、サクラの頭とアゴをコロコロと撫でる松本親子。サクラは気持ち良さそうに目を細めて頭を少し傾ける。
森本「こんにちは松本さん!お好きな所へどうぞ。、、はいサクラ、ホットミルク」
トン。と音を立てて森本が床に置いたのは、ホットミルクの入った少し深めのお皿。サクラは椅子から床にジャンプしてホットミルクに舌鼓をうつ。
サクラはお皿に入ったホットミルクをペロリと飲み終えた。そのお皿の中には大きなひまわりの絵が描いてある。サクラはこの絵がお気に入りで、ホットミルクを飲み終わった後も、ひまわりの絵をペロペロとなめている。
里子「はい、サクラ。良く飲みましたー」
そう言ってサクラの目の前からお皿を片付ける。すると、まだ楽しみ足りなかったのか、持ち上げられたお皿に猫パンチを繰り出していた。
ミャアミャアミャア
サクラは可愛く鳴きながら、口の回りを綺麗に整える。そして、定位置である椅子の上に戻り、ちょこんと座って辺りを見回していた。散々走り回っていたポチは、店内の隅でスヤスヤと眠っていた。
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