エピソードタイトル考えてねぇや
俺は咄嗟に「おいコラババァ」と呟いてしまった。これは俺は悪くないだろう。
「あら、そんなに口悪く育てた覚えはありませんよ。」
「じゃあ親の遺伝だ、しょうがない。」
チラッとゆずる先輩の方を見ると顔を真っ赤にして下を向いている。やってしまった。
「はーい、これ朝ごはんねー、」
そう言って机に並べられた唐揚げは俺たちを見つめていた。
「朝から唐揚げってフードファイターか?」
「いいじゃない!若さとは美貌なのよ!」
「話噛み合ってねえじゃねぇか」
俺はそう言って唐揚げを食べる。下を向いたままのゆずる先輩を席につかせ、唐揚をよそう。
「でかなんで家にいるんだよ。いつも仕事だろ?」
「いったいなんの話をしているのかしら?私はこの道300年の専業主婦よ?」
「本当になんの話してんだよ。」
そんなこんなでノルマ700文字の半分まで埋めた俺はゆずる先輩と家を出て駅に向かった。
「じゃあここで、、、、」
「うん、ありがとっ!」
今回最初のセリフにして最後のセリフの予定のゆずる先輩はスキップをしながら家を出て行った。片道を引き返し学校に向かった。
バンッ!
いつもと同じ曲がり角で久しぶりにぶつかった。
「言ってえなぁゴラァ!」
反射的に叫んだモブヤンキーは俺の顔を見るなり、「ぎゃぁぁぁぁ!!!!『人神殺し』の影杉だぁ!」と叫んで逃げていった。
これは後から聞いた話だがこの前カフェで潰したヤクザグループの組名が『天照大神』だったらしい。そして人が神を潰したってことで人神殺しの影杉になったわけだ。
俺はいつも通り門をくぐり席にはついた。
「あのっ、そこ私の席なんだけど、、、、」
俺は俺の隣に立つ女の子を見てびっくりした。知らない顔だった。どうやらクラスを間違えたようだ。
「ちょっとバカッ、、、、その人『人殺しの影杉』よ」
「えっ、、、?うそ!ごめんなさいごめんなさい。」
そう言って何度も謝られた俺はすぐさま正しいクラスに戻った。
因みに『人神殺し』の「神」を略して人殺しらしい。そして学校中に『人殺しの影杉』の噂は広まった。
それが略され『人殺し過ぎ』(人殺し杉)と呼ばれるようになったのはここだけの話。
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