なんの打ち上げ?

 俺は今、なんとも言えない状況に陥っている。その理由はあのチンピラどもの襲撃を受けたカフェは警察のお世話になり、謎にその場にいた計5人がサイゼりアで打ち上げとなったからだ。なんの打ち上げなんだよ。打ち落とせよ。


「みんな、今日は色々あったけどありがとう! みんなのおかげで私は助かった! 私のお金で気が済むまで楽しんでね」


 気前のいいセリフを放ったのはバイトも人生も先輩のゆずるさん。と言ってもこの打ち上げはギリお店の経費で落とせる範疇だろうけれど。


「そんなことよりさぁー、バイトでの形くんってどんな感じなのー?」


「えーっとねー、the真面目って感じだねー!」


「あんた、俺がバイトしてるとこほとんど見てないでしょ」


 なぜか気の合ってしまった桜とくるみは俺の悪口大会で盛り上がる。俺はエスカルゴのオーブン焼きを口の中で転がしながらこの関係を整理する。


 まず簡単な俺目線、俺目線は仕事仲間3人と、学校の同級生1人。桜目線はデートを荒らした人と知らない人2人と俺。


 ゆずる先輩目線はデートを荒らされた人とバイト3人。ジャム目線はバイト仲間3人と知らない人1人。


 くるみ目線は知らない人1人とバイト仲間3人と言ったところか。思ったより複雑でなくて助かった。しんどいのは桜とゆずる先輩の関係だけだ。


「あのさっ! 助けてくれたのはありがたいんだけど、あのことは許してないからね!」


 少し大きな声で注目を集めたのはゆずるさん。俺は当然桜を見る。くるみは何のことか分かっておらずジャムが説明しているところだ。


「あのことって何ですか?私こそ私の形くんをビンタしたこと許してないんですけど」


「あんたねっ…………」


「やめてっ! 私のために争わないでっ!」


 場を荒らしたのはくるみである。もうわけわからん。後半に続く!こんなん続かんでええやろ(関西風ツッコミ)

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