クソ野郎
空はあっという間に星が見えるほど暗くなり、俺は人気のない公園で、ジャムと一緒にベンチに腰掛けている。
「話って?」
「あんた何したの?」
「いろいろありすぎて、全てがわからん」
ほんとに色々あった。ありすぎた。俺は今だに初キッスを受け止め切れてない。その後はデートでゆずるさんの元彼に会い、ゆずるさんのトラウマを聞いた後同級生が登場し、場を荒らしていったことを包み隠さず話した。
「その女は何?常識ってものを知らないのかしら?」
「人の服についたジャムを舐める奴がよく言うよ」
さっき全ての元凶は夜道桜と言ったが、コイツかも知れない。あながち間違いじゃ無いだろ。
「俺は何したらいい?」
「自分で考えなよ」
「マジで何したらいいかわかんないんだって」
何をするにしても今の俺じゃゆずるさんの心には響かないだろう。
「自分がゆずる先輩の立場になったらして欲しいことぐらいわかるでしょ。」
言われた通り考える。もし俺に元カノがいて、イザコザがあって、彼氏持ちの女の子との関係を嫌っていたとする。
デートで元カノと出会い、トラウマが蘇り、そのトラウマを彼女に話す。でもその彼女に彼氏がいたってことか。
「めちゃくちゃカオスじゃねぇか」
「何よ急にびっくりしたー。でもそうね。ゆずるさんは報われなさすぎる」
でもして欲しいことってなんだろうか。俺が今ゆずるさんにしてやれることは何か。
・誤解を解く
・彼氏になる
・1人にさせてあげる
ここら辺だろう。1番簡単なのは1人にさせてやることだ。トラウマの再来はトラウマにならなければ問題はない。
「彼氏になる」というのは、単純で俺がゆずるさんを捨てない限りゆずるさんの成長の証明にできる。
まぁそんな覚悟もないので俺は誤解を解くか、1人にさせてやるかのどちらかだ。
「1人にさせてやった方がいいのかな?」
「何言ってるの、それは放っておくのと同じよ」
確かにジャムの言う通りだ。俺は誤解を解こうと決意し、空を見上げた。空にはきれいに輝くなんとか座が広がっていた。
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