誤解
俺は月曜日学校が終わり、すぐバイトに向かう。今日シフト入っていないのは置いといて。ちなみに桜は朝からキャンキャン吠えていたが誤解を解くまでは無視すると決めていた。
カランカラン!
「いらっしゃいませーって影杉君?今日シフトじゃないでしょ?」
「昨日のこと謝りたくて」
「ちょっと待ってね。今混んでるから」
このラブコメはタイミングすら分からないのだろうか?普通ここは2人きりの場面でしょ。そして見たことないバイトウーマンがもう1人。女の子だ。そりゃバイトウーマンだから女だろうよ。
「俺もやりますよ。せっかくですし」
「勝手にして」
少し機嫌の悪いゆずるさんを傍目に、裏に周りエプロンを巻く。
「あんた誰?」
さっきのバイトウーマンに名を聞かれる。
「俺は影杉 形。ここで、火曜、水曜、金曜とバイトしてる男だ」
「あっそ。私はタワシ。」
そう言って表に出ていった。ちょっと待て今タワシって言ったか?タワシってあのタワシ?まあいいか。その後かれこれ3時間ほど無賃バイトをした後店を閉じた。
「で?何を言いに?」
ゆずるさんはなかなかご立腹なようだ。
「マジであれ彼女じゃないんですよ。頭おかしいただの友達で」
「だったら何よ」
「だから、なんというか、ゆずる先輩を傷つけるつもりは全くなくて」
「知ってる」
急に耳元まで顔を近づけ、つぶやかれた。どっかの誰かのキスよりよっぽどこっちの方が嬉しい。俺は顔を真っ赤にし深呼吸する。
「発情犬がいる」
んだとたわしが。
「先輩!あの人の名前って?」
「あー
「すげえ、色しか合ってねぇ」
俺はそう言って店を出る。もうそろそろ体育祭。それより前に中間試験。俺は心の中でこう叫ぶ。
「私タワシ渡したわ!!!!」
回文である。諸君らには是非逆から読んでみてほしい。読まなくてもいいけど後悔するよ?
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