王雅と茶々……③
「真葵!!生きていたのね!」
「うふふ……」
「たしかあの時真葵は死んだはず!!」
「残念ね。私は呪いが得意なのをお忘れになって?」
「……あなたは鬼なのに能力を持たなかった。だからそれを妬んで呪いの実験に力を入れた。自分の理想郷を創るために……」
「さっきから勝手にしゃべらないでくれる?耳障りなんだけど。」
そういうと呪いで操られた飛雅様が火を放った。
「飛雅殿が力を操ることができないと言っていたのはこれが原因か……」
「ひゅーが?ひゅーが~」
「茶々!!」
茶々は王雅様の腕のなかからぬけてしまい操られた飛雅様のところへ行ってしまった。
「ひゅーが!めっ!」
と茶々が飛雅様のお腹をぽんぽんと叩くと
「……あれ?茶々?俺なにしてたの?って王雅殿!?」
「よかった……」
王雅様が正気に戻った飛雅様を茶々ごと抱きかかえて真葵のところから離れ後ろに下がった。
「ちっ。まぁいいわ。あの子は私の器じゃないもの。」
「うぁ……くるしい……」
「ひゅーが!茶々がなおしてあげる!!」
茶々の能力は他人が願ったものを叶える能力。茶々は飛雅様の傷と呪いを簡単になおしてしまった。
「やはり素晴らしい!!茶々をよこしなさい!!」
「いやよ。あなたの欲に茶々は渡さない。私の娘よ!」
私は手の平から剣を作った。妹の魂だけを倒し王妃の体と魂を取り戻すために。
「いやだなぁ。お姉さま~。私はお姉さまのことが好きなのに~」
「私も昔は好きだったわよ。」
そう。私たちは昔とても仲が良かった。なにをするのも一緒だった。私と真葵の関係にひびが入ったのはいつからだろう……。
「お姉さま。私と一緒に国を滅ぼして、私たちの国をつくりましょう!」
「嫌よ。あなたの誘いになんかのらない。たとえ誘いにのってもあなたはそのうち私の体を乗っ取るつもりでしょ?」
「さすがだわ。お姉さまは本当に頭が良いこと。」
「ど、どういうことだ!?」
「うふふ。そうね。私の可愛い飛雅はなにも知らないわよね。」
「……あの子は人の口に自分の血を入れ込んで、脳に入り込み、自分の思うがまま操る呪いを持っているの。1度あの子に入り込まれてしまうと、たとえあの子がその体から出ていっても結局血は残ってしまうから脳に呪いが定着してしまい、あの子が呼びかけるだけで操られてしまうの。」
「お姉さま……さすがね。だから能力のあるお姉さまと茶々が欲しいの!!!はやく私の下僕となりなさい!」
「嫌よ!茶々も渡さないし、私はあなたに従わない!」
「そうだ!茶々は俺の婚約者だ。お前の好きにはさせない。」
「真葵にだけは茶々は渡せません。」
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