7話~君を覚えている俺たち~

あの表情……桐崎様すごく悲しそうだった。

私は城の廊下を歩きながら考えていた。妙に引っ掛かるんだよね。色々と。

「茶々殿?」

「あ、織田殿……。」

「今日は遅いから泊まりなさいと王雅様からの命令です。ご案内します。」

「え、でも……」

「お願い~、これ断ると王雅様に殺されちゃう~」

「わ、わかりました。」

私は織田殿の後についていった。




「ここが今日宿泊して頂く部屋です。お困りの際は呼んでください。外に剣豪の誰かがいるはずなので。」

「わ、分かりました。」

宿泊施設が立派すぎて私は驚いた。宿泊にしてはすごすぎるんじゃ……。部屋は広いし、布団は触ったらとても柔らかく質がよかった。

生け花も添えられている。

夜も遅かったので私は眠りにつこうとした。

桐崎様の顔、声……。










どこか懐かしいはずなのになにか引っ掛かる……。















「王雅様。茶々殿に宿泊の交渉をした結果成功しました。」

「あぁ。ありがとうな。」

僕はあのあと茶々殿の泊まっている隣の部屋で王雅様と剣豪が集まる会議に出席した。

「今日秋の国の王子と会ったけど相変わらず茶々にべったりいるな~」

「あの方は茶々殿こと大好きですからね。」

「俺は愛してる。」

弥禄は苦笑いしながら調査報告していた。

「王雅様。その真剣な姿勢を仕事でもできるようにして下さい。」

と慶がため息をついてそう言った。ため息ついたら運気逃げちゃうよ~と心のなかで思った。

「茶々が俺のことを覚えていなくても俺は覚えている。俺は今度こそ茶々に振り向いてもらう。」

「王雅様ってほんとまっすぐだよね。」

と秀一は外で咲いている十月桜をみながらそう言った。

「なんだ秀一。お前にも本気になれる人がいつか現れるはずだよ。」

と王雅様は無邪気に笑った。

「あの日あったとき……」

「僕たちのこと忘れてたね……。」

雅、魁都、はそうポツリとつぶやいていった。

「……王雅様うまくいくといいですね。」

「そうだな。」

晴臣くんは苦しそう顔をして言った。

まあ、晴臣くんがそんな顔をするのもわからなくないんだよね。















だって王雅様にも負けないくらい僕たち剣豪も茶々殿のこと好きだもん。




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