10.顔合わせと乾杯

☆☆☆


 両家の顔合わせ


 あっさり了解をもらえてよかった。

大企業務めなのだから妻となる人にも学歴は厳しく要求されるのかと思いきやそうでもなかった。

 一人暮らしで社会人していた期間のほうが大切らしい。

「ありがたいね」

「ああ」 


家回り、仕事関係者に報告する。

 滞りなく、関係者各位へのあいさつ回りが終わったところだ。

「うふふ。幸せ」

 年甲斐もなく、手をつないで歩いていると、見知った顔があった。


 酔っぱらって幸せなところに朝峰がいた。

「あっさみねー」

「どうしたんだ? 男と一緒か?」



「うん。婚約者殿なのよぉー」


 ケタケタ笑う彼女は

 やはり天然だった。


「どうも」

「桜木がお世話になっていたようで」

「うん。仕事の時ドリンクくれたりした人なの」

「へぇ。お世話になったようで」

 頭の回転の速いイケメンには朝峰の気持ちはバレバレらしい。

 イケメンの威嚇はまた怖いものだ。

「もう大丈夫ですので」

 それに気が付かない天然さん。

「こんど、誰か女の子紹介するねぇ」


 エールを送って帰る。

 その日のうちに友人に異性を紹介してみる。

 うまくいくことを願うのみだ。


 会社を寿退社してとりあえず専業主婦になる。

 それでもかわいいとは言われたいからダイエットもするし、美容にも手は抜かない。

 だってかわいいって言われたいもの。

 もちろん主婦として家事にも手は抜かない。

 掃除ばっちり、食事もおいしいと言ってくれる。

 子供も欲しいけれども日本経済が縮小しづづける中産みたいとは思わない。

 そのことを夫に話すと同感だといわれる。

 PCを使って副業をしている。

 自分の使うものや化粧品、は自分で調達したいからだ。


 これからの人生は彼ともに歩んでいきたい。

 今日のおかずはかぼちゃの煮物。


 ガチャ


 帰ってきたようだ。一目散に彼に抱き着きに行く私は恋愛病末期なのかもしれない。

 幸せが永遠に続いてほしい。

 END





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桜木さんとイケメンさん 完 朝香るか @kouhi-sairin

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