(二)-6

 あれは俺が高校生のとき、ちょうど十七年前のことだった。

 俺は当時高校二年生で、その日は試験前で部活がない日だった。学校から家に帰ると、町工場を併設した自宅の周辺に柄の悪い大人が何人もいた。

 家に上がると、父も母もいなかった。工場の方にいるのだろうと、そちらにいくと、父と母がチンピラたちに取り囲まれて土下座をしていた。

 俺が「ただいま」と声を掛けると、工場にいた父と母だけでなく、チンピラたちも一斉にこちらを見てきた。


(続く)

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