(二)-7

 俺はドキッとした。

 父は「こっちにくるな、家に入っていなさい」と戻るように促した。

 俺はその言葉に従って、すぐに家に戻った。

 それから三日後、俺は名古屋の親戚の家に預けられることになった。父の兄で市役所に勤める晴哉せいやおじさんの家だった。

 終業式が終わるとすぐに引っ越しをした。このとき通っていた高校は一学期までで、急遽、名古屋の方の高校に転校することになった。引っ越してから編入試験を受けて、二学期からはそちらに通うことになった。

 その二学期が始まってしばらくして、父が亡くなったという知らせが入った。自殺だという。神戸港で車ごと海に落ちて亡くなったと聞かされた。


(続く)

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