(二)-4
「一緒に宮崎を殺して財産を奪うんじゃなかったのかよ。俺を刺すなんて聞いてねぇぞ」
国分は腹を押さえながら言った。
「お前から教えてもらったとおり、腸を狙ったぜ」
俺はそう返事した。
「そんなことは聞いてねえよ。なんで俺を刺したんだ」
「自分が狙われてないとでも思っていたのか」
「何? てめぇ、何者だ」
腹を押さえながら国分は俺をにらみつけた。
俺もにらみ返した。この男は俺の事に気づいていない。もちろん面識はなかったから、知るよしもない。しかし、この男、今までしてきたことについて、何にも反省していないのだろうか。十五年間も刑務所に入っていたというのに。
(続く)
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