(二)-2
「いいか、衣類が入っていても奥まで確かめるんだ。奥の方に隠していることがあるからな」
タンスの中を引っかき回しながら国分はそう俺に言った。
俺は「わかった」と返事しながら背負っていた鞄を降ろして抱きかかえるように持ち、その中から複数ある包丁の家の一本を取り出すと再びカバンを背負った。そしてゆっくり音を立てないように国分の背後へ近づいた。
俺が近づくと、部屋の灯りでできた俺の影がタンスにできた。
国分はそれに気づき、「おい、お前も手伝えよ。他の部屋で……」と言いかけつつ立ち上がって俺の方を向いた。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます