第13話:転落したのは……
階段の上から突き落とされた私は、偶然通りかかった屈強な男子生徒に抱きとめられた。
うわああぁぁぁ!!
さすがに死ぬかと思ったわ。
「大丈夫ですか!?」
抱きとめた方も、かなり驚いた様子で聞いてくる。
考えて助けたわけではなく、脊髄反射で落ちてきたものを受けとめただけなのだろう。
「あ、ありがとう……ございました」
顔をしっかりと確認すれば、同学年の公爵家三男、既に近衛騎士隊への入隊が内定している生徒だった。
不幸中の幸い。
彼でなければ、落ちてくる人間を受け止められなかったに違いない。
目撃していた生徒が、教師を数名連れて来てくれた。
私を突き落とした生徒は、理由の
その場で退学が決定した。
その場に居た全員も、後日、重い罪に問われた。
なぜなら、髪留めがマーガレット公爵令嬢とアイリス侯爵令嬢からの贈り物だと証明されたからだ。
ざまあみろとしか言いようがない。
今回は命の危険もあったので、一切の謝罪を受け入れなかった。
だから尚更、減刑されていない。
しかし元凶であるアモローサは、なんの罪にも問われなかった。
「私の持っている髪留めと見間違えただけ」
「姉妹間の喧嘩」
「私は手を出していない」
「周りが勝手に騒いで、
アモローサはそう訴えたのだ。
そして両親が「優しいアモローサが態と姉を
そろそろマジで、この家を出る事を考える時が来た気がする。
死ぬかもしれなかったのに、私の心配は一切せずにアモローサの事ばかりを庇う両親。
当たり前だが、アモローサからの謝罪は無い。
それどころか取り巻きが減って、恨まれている気がする。
これから益々手段を選ばなくなりそうだわ。
イザベラも最近、社交が上手くいかないのか私への八つ当たりが強くなってきた。
勉強が出来ても、頭の回転が良いわけではないようね、イザベラは。
とにかく、家に居場所が無いどころではなく、命の危険が発生し始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます