第6話:妹が入学してきた




 私の一応平穏な学園生活に、悪魔が入り込んで来た。

 妹のアモローサだ。


 イザベラは頭を使って貶めてくる分、あまり直接的な被害は無かった。

 しかし、アモローサは馬鹿なので、直接攻撃してきた。

 しかも入学式当日から。



 入学初日なのに、既にゾロゾロと男を連れて歩くアモローサ。

 相変わらず見た目だけは天使のようだ。

 頭にでっかいリボンくっつけてるけど、宝石付なのは校則違反よ?

 そんな事を思いながら眺めていたのが悪かった。

 アモローサと目が合ったのだ。


 ニヤリと笑ったのが見えた。


「おねえさまぁ~」

 アモローサが駆け寄って来る。

 生まれてかた、一度も呼ばれた事の無い呼び方をされた。

 寒っ!キモッ!!

 そして私の目の前で、


 尻もちをついたアモローサを、私と、私と一緒に居たマーガレット様とアイリス様は、呆然と見下ろしていた。

 何してんだ?この女。それが正直な気持ちだった。


「酷いです!いきなり突き飛ばすなんて!!」

 悪魔が叫んだ。


 アモローサの連れていた男達が駆け寄って来る。

 男達が到達した絶妙なタイミングで、アモローサの目から涙が零れ落ちた。

「いつも私をねたんで、そうやって虐める……酷いわ」

 ポロポロと泣く天使のような見た目の悪魔に、まんまと馬鹿な男達は踊らされる。


「なんて酷い女なんだ!」

「実の妹を突き飛ばすなんて!」

「話には聞いていたけど、本当に悪魔のような奴だな」


 私を罵倒する男達と私を、アモローサは口角を上げて見ていた。



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